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今春の花粉は「少なめ」予想も、平均飛散数は確実に増加

2007年2月8日 (木)

東京都による「第1回花粉症予防・治療シンポジウム」
東京都による「第1回花粉症予防・治療シンポジウム」

 花粉症に悩まされる人が年々増え、首都圏では4人に1人が花粉症ともいわれている。東京都では2005年度から「東京都花粉症対策本部」を設置して、都内のスギ林の植え替えなど発生源対策を行うと共に、根本的な治療法の研究を進めるなど、全庁的に花粉症対策に取り組んでいる。その一環として、このほど「第1回花粉症予防・治療シンポジウム」が開かれた。

 シンポジウムでは、NPO花粉情報協会の村山貢司氏(気象予報士)が「今春のスギ花粉飛散予測」をテーマに解説した。

 スギ花粉の量、いつ頃から飛ぶかについては、スギの花が咲く前年の708月にかけての気温・日照時間などがが大きく影響する。夏から秋にかけ、スギの花は成長するからだ。その開花には、秋から冬の気温が影響することが分かっている。

 花粉がどのくらい飛ぶかに最も影響するのは、夏の日照時間だが、前年の飛散量も関係し、大量に飛散した翌年は少なくなる傾向もある。

 気になる今年についてみると、2006年の東京の夏は、曇りの毎日で30度という日が目立った。日照時間は全国的に例年より少なく、東京は平均の日照時間150時間に対し、59時間しかなかった。気象条件からはスギの花は育ちにくく、日本列島全域でかなり少なくなると予想されている。また、気象条件や花芽調査からは、東京では前年とほぼ同じか、地域によってはやや多いと予測されてる。

 飛散数の調査では、日本の主要都市で花粉が最も多いのは東京で、東京湾を含めた地形の影響と考えられている。東京の07年はこれまでの平均飛散数の25%から、最大で40%ほどの量というのが今年の予測だが、村山氏は「今年は花粉は少ないということばかりが報道されるが、実は安心できる量ではない」と、実情を解説した。

 東京の杉並区を例にとると、86095年までの10年間の平均値が2300個/cm2なのに対して、96005年では3800個/cm2で、実に10年間で約1.7倍に増えている。つまり、今年の飛散量は15年前、20年前の平均的な花粉の飛散量であって、実数としては決して少ないとはいえない。村山氏は「この傾向はまだしばらく続いて、今後も花粉は増え続ける」と予想している。

 飛散開始時期は秋から冬の気温が左右するが、昨年の秋から12月にかけては記録的な高温もあった。しかも、今年は暖冬だ。一般に、秋の高温は飛散の開始を遅らせる。それに対し、1月の気温が高いと早める方向になる。どちらが強いかというと、秋の記録的な高温の方が強いことから、「今年の飛散の開始は例年と同様か、少し遅い感じ」というのが東京都の予想で、2月16018日ぐらいとしている。村山氏は「飛散数は随分少ないという印象だが、花粉症が発症するには十分な数であるということ。花粉飛散に備えて外出時のマスクも有効な手段で、花粉症の予防は早めの対策が一番」と呼びかけた。

 また、村山氏は「花粉症患者は今後増えるのか」との質問に答えて、「東京都は過去3回、花粉症の患者調査を都内でやっているが、8%、12%、20%と回を重ねるごとに増えている。それに関連するかのように、実際に花粉量も増えてきている。仮に1万個の花粉を浴びて発症すると仮定すると、15年前や20年前は平均で607年かかった。しかし05年はたった1シーズンで1万個を浴びるというように、早い年齢から花粉症になってしまうのは、花粉が増えていく過程では当然でもある。その点からすると、子どもの花粉症は今後、間違いなく増えていくと思う」とした。

 花粉飛散量の今後については、「何の対策も取らなければ、40数年後に現在の1.6倍くらいに増えると試算している。花粉飛散量と花粉症患者数が連動すると仮定すれば、恐らく患者数も1.4倍くらいに増える。また花粉の数が増えるに伴って、当然症状も悪化するだろう」と指摘した。

 村山氏によれば、東京は特に戦後、大気汚染に加えて空気が非常に乾燥するようになったことも花粉症罹患と大きく関係しているという。コンクリートで覆われるなど環境変化が大きく、「湿度はここ10年で10%以上低くなっており、カラカラの状態といえる。乾いた空気は鼻やのどの粘膜を痛めるし、インフルエンザの流行にもつながる。東京は花粉症だけでなく、いろいろな意味で呼吸器系の病気になりやすい地域であるといえる」とした。




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