厚生労働省は、台湾規制当局が販売中止や回収などの措置を決めた、イソプロピルアンチピリンを配合する解熱鎮痛薬について、医療用・一般用とも、国内では回収を行わず、販売を継続することを決めた。ただ、医療用のクリアミン配合錠は、未知の肝機能障害の懸念があることを周知するため、添付文書の改訂をメーカーに指示した。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)の評価によると、国内のイソプロピルアンチピリン系化合物の重篤な副作用は、医療用で年間1万人当たり0・03~0・30件と少ない。台湾で問題とされた血液障害の報告も少なく、過敏症の報告も顕著でない。また、既に添付文書でショック、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症を重大な副作用として注意喚起しているため、クリアミン配合錠による肝機能障害の注意喚起以外には、特段の対応は不要と判断した。
一般用も複数製品が販売されているが、いずれも重篤な副作用は、年間1万人当たり0・03~1・0にとどまるため、現時点で販売中止などは行わないことになった。
いずれも、薬事・食品衛生審議会安全対策調査会が、PMDAの結論を支持することで一致した。