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20年の実績が「新100点業務」に

2012年2月24日 (金)

 2012年度診療報酬改定で「病棟薬剤業務実施加算」が新設されたが、この決定を聞き、日本病院薬剤師会第11代会長の全田浩氏が存命のころ、口癖のように「薬あるところに薬剤師あり」と連呼していたことが脳裏に蘇る。

 全田氏は1999年4月~06年3月まで会長を務めた。98年に薬剤師配置基準見直し問題で、日病薬が大きく揺れた混乱期の舵取りを引き受けた。06年度からスタートすることになった薬学教育6年制の成立にも重責を果たした。

 当時、目の前の課題は新設されてから10年経っていた「薬剤管理指導業務」推進だった。99年、翌00年と大阪や東京で「薬剤管理指導業務完全実施推進大会」を開催。時代遅れともいえる“浪花節”で、会員の心をつかみ、その理解・普及に努めると共に、続発する「医療事故防止のためリスクマネジメントに取り組む病薬」という方向性を打ち出してきた。

 その後、堀内龍也氏が会長を引き継いだ08年ころは、病院における医師不足に端を発し、10年春に「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」の医政局長通知が発せられ、“薬剤師が思った以上に医療に関わって良い”とのお墨付きが得られた。

 故全田氏が、薬剤師配置の増員を目標に「薬剤管理指導業務完全実施」の大号令を発してからほぼ10年。医師不足など“追い風”はあったにせよ、積み重ねた成果が評価され、さらなる病院薬剤師業務の進展も各医療現場で散見されるようになったことが、このような局長通知につながった。

 長期実務実習が、病院や薬局の現場で比較的スムーズに行われるようになるなど、「6年制教育」の実施も薬剤師に期待が高まる大きな背景にあったのは間違いない。

 来年度の診療報酬改定は、病院薬剤師にとり「病棟業務の充実に大きく舵を切るターニングポイントになった」と、将来、振り返る時がくるのではなかろうか。

 かつての100点業務「入院調剤基本料」が88年に創設されたのを“御旗”に、薬剤師が臨床現場に出てから20余年。病院によっては、ERや手術場にも薬剤師が配置されるようになった。

 薬剤師の病棟配置を訴え続けた堀内会長をはじめとする執行部は、今回の改定で、「病棟薬剤業務実施加算」の新設を達成。「新100点業務」を得た。

 かつて医薬分業とともに病院薬剤師は新たな道を模索し、入院患者へ注力すべく課題を克服してきた。今回の改定も、これを受ける現場の人員体制は病院規模を問わず多様だ。

 10年後、医療チームから「薬あるところ薬剤師あり」が意識されることなく、当然のことと認識されるよう「新100点業務」定着を望みたい。そのためには、薬剤部長の指導力と交渉能力に磨きがかかることが必須となる。




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