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在宅の評価ポイント見直しを

2014年1月24日 (金)

 次期調剤報酬改定は、昨年早々から厳しい厳しいと言われ続け、結局、実質マイナス改定。加えて適正化のオンパレードとなった。どういう仕事内容がはじき出されるかが焦点かもしれない。消費税増税分の補填については、既に2008年度改定で財政効果が絶大なことが証明されている調剤基本料が対象だ。

 これまでに、なぜか“後発品の使用促進”を理由に42点が40点、19点が18点となり、10年度改定ではプラス改定を受け一本化に向け18点が24点に再改定された。次回は消費税対応分として各1点加算する考えだ。薬局の消費税増税分の財源約100億円の大半が配分される。

 一方で大きな収入源の「基準調剤加算」については、要件を見直す。言わずと知れた厳格化だ。同加算の趣旨に沿ってソフト面を含め薬局作りをしてきたのかどうか、自ら見直す必要があろう。本来、特定の医療機関の診療体制にとらわれず、広く地域医療に貢献することを目的に設置された項目。特に専従薬局が、従来のように開局時間で調整するということでは、もう対処できない可能性は高い。

 また、在宅医療への取り組みが評価、適正化される。ただ、薬局に対する現状評価は、点数を付けているのに、薬局は在宅に取り組まない――というのが一般的な見え方ではなかろうか。実際、主な指標である「算定率」は低空飛行だ。

 これまで薬局の取材のたびに、来局が難しい患者に対して「近所のおばあちゃん宅には届けているんですけど、点数は取れないですね」といった話をよく聞いた。

 そこで本紙の「全国保険薬局調査」でその実態の一端を探った。詳細は既報を参照してもらいたいが、取りあえず表面の数字として、退院時共同指導料1・0%、在宅患者緊急時共同指導料1・8%、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料5・1%という算定状況で、数年来、調査の仕方には変更があったが、低い状況に変化は見られない。

 また、在宅患者訪問薬剤管理指導料(介護を除く)も、算定している薬局は17%だ。これを見ても薬局の在宅への取り組みへの期待とは裏腹に、「進んでいない」というのが、結論になってしまう。

 さて、今回の調査では“無償での在宅対応”の状況を聞いた。その結果、多くの薬局で無償対応している実態が見えてきた。対象が5人以下であれば、無償で対応しているという薬局が多かった。

 「5人以下」で算定しているという薬局より、算定していない薬局の方が1・5倍ほど多かった。「10人以下」では、算定・非算定ほぼ同数。

 実は地域の患者のために、地道に貢献している薬局の姿が浮き上がってくる。在宅医療推進を掲げる日本薬剤師会自身が精力的に大規模実態調査をするなりし、算定率が伸びない要因を明らかにすべきだろう。直近の問題は、貢献していることが評価される仕組みのための交渉だ。

 今回、診療報酬とは別に900億円の公費を投入して基金を新たに設けるという。ようやく政府も重い腰を上げた感じは拭えないが、在宅医療の推進、医療従事者の確保・養成など、いずれも医療環境のインフラだ。ならば税投入は当然とみるが、いかがか。




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