国立がん研究センターは9日、希少癌の小児神経芽腫治療薬の医師主導治験をスタートさせた。欧米で標準治療薬となっているイソトレチノインの10分の1以下の濃度で強い抗腫瘍効果を発揮するビタミンA類似薬を用い、大阪市立総合医療センター、九州大学病院と共同で実施。ドラッグラグの解消を目指す。
今回の医師主導治験は、まず小児での第I相試験を実施する。神経芽腫は、小児で脳腫瘍に次いで多く見られるものの、5年生存率が3割程度にとどまる予後不良の難治癌。抗癌剤や自家移植、放射線、手術等の治療が行われ、これらが成功した後にイソトレチノインを6カ月服用することで3年以内の再発・死亡を15%減らすことが示され、既に欧米ではビタミンA類似薬のイソトレチノインが標準治療薬として用いられてきた。
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