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【混合診療】全額自己負担は法的根拠なし‐東京地裁が判決

2007年11月9日 (金)

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 公的医療保険が適用されている医薬品と保険適用外の医療技術を組み合わせた混合診療で、保険適用部分までが保険給付されず、全額自己負担扱いとなる国の健康保険法の解釈は違法だと訴えた裁判の判決が7日、東京地裁であった。判決では、混合診療に対する国の解釈を否定し、混合診療でも、保険適用されている医薬品については保険給付を受ける権利を認めた。混合診療を原則禁止する国の法解釈の抜本見直しを迫る内容となった。

 厚生労働省の水田邦雄保険局長は同日「極めて厳しい判決」とし、速やかに今後の対応を決めたいとの談話を発表した。

 訴えていたのは神奈川県藤沢市に住む清郷伸人氏。腎臓癌の治療のため保険適用のあるインターフェロン(IFN)の投与に加え、保険が認められていない「活性化自己リンパ球移入療法」を併用するとの主治医の提案を受け、2001年9月から実施していた。混合診療となったため、保険適用のIFNも含め全額自己負担となった。原告の清郷氏は、IFNについては保険給付されるべきだとし、その受給権の確認を国に求めていた。

 それに対し国は、[1]複数の診療行為がなされた場合、それは不可分一体とみて保険適用するか否かを判断すべきで、保険が適用されない診療行為が加わった場合は、その診療行為全体は保険給付されない[2]高度先進医療など例外的に混合診療を認める保険外併用療養制度に該当するもの以外は、混合診療に対する保険給付は認められない””と主張し、今回のケースでのIFNに対する保険給付は認められないとしていた。

 判決では、健保法では保険給付する具体的な内容は定めておらず、複数の診療行為がなされた場合、それは不可分一体とする「(法的)根拠は見出し難い」と指摘。

 その上で、診療行為や医薬品の保険上の扱いを定めている診療報酬や薬価基準が、個別の診療行為や個別の医薬品ごとに点数や価格を決めていることを挙げて、「保険診療として承認されていない医療行為が併せて行われると、それを一体とみて、『療養の給付』(保険給付)に該当しないと解釈すべき手がかりは、何ら見出すことができない」と、国の法解釈を退けた。

 さらに、例外的に混合診療を認める保険外併用療養費制度に該当するもの以外は、混合診療における保険給付は認められないとの国の主張も退けた。同制度について「保険診療と自由診療とを組み合わせた場合を全体的、網羅的に検討して、その中で保険給付に適するものだけを拾い上げたものであるということはできず(中略)制度の対象とする旨が明らかにされたにとどまる」とし、「特定療養費制度に関する定めからしても、特定の保険診療については、およそ全ての保険給付から排除するという趣旨をうかがい知ることができる規定はない」とした。

 そのため、保険適用を受けているIFNの投与が、保険外併用療養制度に該当しないために「保険給付の対象から排除されることを示すものは一切見あたらないと言わざるを得ない」と指摘。原告にはIFN投与に対し保険給付を受ける権利があると判断した。

 同省は、混合診療について「無制限に保険外診療との組み合わせを認めることは、不当な患者負担の増大を招く恐れや、有効性、安全性が確保できない恐れがある」として、専門家の検討を経た診療行為などに限る「保険外併用療養費制度」の中で、例外的に認めている。

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