◆ここにきて再び薬学部の新設が相次ぎそうだ。山口県の山口東京理科大学は2年後の薬学部設置を目指す方針を表明。和歌山県も県立医科大学に5年後、薬学部を新設すべく基本設計に着手した。このほか長野県、沖縄県でも動きがあるという
◆薬剤師不足に悩む地方の薬局や病院関係者にとっては、その地域での薬学部新設は朗報だろう。しかし、全体的な視点から考えると、かつての新設ラッシュによって大幅に増加した薬学部の数がさらに増えることへの懸念がある
◆間口拡大に少子化が重なり、薬学部入学者の質が今以上に低下しかねない恐れがある。教員は、薬剤師国家試験対策に手を取られ、質の高い教育を行えなくなる。結果として輩出される薬剤師の質が低下し、地位も下がっていく
◆懸念を払拭する最善策は、薬剤師を含む薬学部卒業者の職能や報酬を高め、それに伴って薬学部志願者が増え、優秀な人材を社会に送り出すサイクルを確立することだ。そんな未来を実現できればいいが、現実はどこに着地するのだろうか。
薬学部新設への懸念
2016年05月02日 (月)
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