第一三共は、グローバルで開発中の抗HER3抗体「パトリツマブ」について、非小細胞肺癌(NSCLC)を適応とした開発を中止すると発表した。欧米で実施中のNSCLC患者を対象とした第II相試験「HER3-Lung試験」で有効性の基準を達成しなかったため。今年度からスタートした5カ年中期経営計画では、癌領域を強化する戦略を打ち出しており、パトリツマブのピーク時売上を500億円と見込んでいた。試験結果に伴い、NSCLCを適応とした日本での第I相試験も中止するが、他の癌腫での開発は戦略に変更なく続けるとしている。
HER3-Lung試験は、局所進行性または転移性のNSCLC患者を対象に抗癌剤「エルロチニブ」(製品名:タルセバ)とパトリツマブの併用効果を検討したプラセボ対照第II/III相試験で、第II相から第III相に移行するために事前に設定した有効性の基準を達成しなかったため、独立データモニタリング委員会から移行中止が勧告され、中止に至った。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。