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後発品、薬局・薬剤師が試される時

2008年3月17日 (月)

 4月からの新しい診療報酬体系に関する中央の説明会が終わり、都道府県レベルでの伝達講習が行われている。「どうすれば点数が取れるか」というやり取りがされているのか否かは別にして、厚生労働省の医薬食品局総務課課長補佐によれば、「医療法で、調剤する薬局が医療提供施設に位置づけられ、地域医療に貢献することが期待されている。点数がついているから業務を行うのではなく、患者のためになるかどうかが業務の基準」と指摘する。

 今回の調剤報酬改定は「実質的にマイナス」とする声が大きいのは事実だが、二つの大きな目的が点数設計の中に盛り込まれている。

 一つは、いわずと知れた後発医薬品の使用促進であり、療養担当規則にまで「保険薬局は、後発医薬品の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。薬剤師が後発品を調剤するよう努めなければならない」などと書き込まれた。もう一つは、厚労省の行政官が言うように、“地域医療に貢献する”ことを促す点数が設定されている。

 後発医薬品に関しては「新→後」以外にも「後→後」というケースも認められ、後発薬間の銘柄変更調剤も可能となった。後発医薬品の使用が目的とはいえ、大きく見れば一般名処方になったという見方もできる。後発医薬品を取り揃え、変更に際しての患者説明で、薬剤師は薬学的知識の活用が不可欠になる。「数ある中で、なぜその銘柄なのか?」――患者は疑い深いものだ。納得してもらえる的確な説明を行える体制整備が必要であろう。

 その体制整備に対し、新たに「後発医薬品調剤体制加算」が設定された。いわゆる施設フィーだ。日本薬剤師会保険担当理事は、「先発医薬品しかない処方せんをお持ちになった患者さんに対しても、加算は発生する。つまり、後発医薬品を備蓄し、きちんと説明できる薬局なので4点加算される」という。新薬しかない処方せんを持って来た患者に対しても、胸を張って質問に答えられるようにしてもらいたいものだ。

 従って、後発医薬品の選択・購入に当たっては、予め患者に説明できる理由、何を考慮してその銘柄を選んだかを、常に明らかにしておく必要がある。行政官も単に「この銘柄しかなかった」では説明したことにならないと指摘している。

 日薬の担当理事も「在庫は1種類しかないでは、患者も怒る。1回40円でそこまで要求するのかという声は十分に承知しているが、そういう体制を作って評価されれば、多分この点数は上がっていくのではないか。手間がかかり在庫も大変だということを、患者さんに分かってもらうことが必要」と、個々の薬局・薬剤師の良識が試されることになることを強調する。

 また同担当理事は、患者への説明についてもエビデンスが重要だと指摘する。医薬品情報を的確に入手するためのインターネット環境の整備、個別的な医薬品の品質確認(試験センターの活用)、添付文書記載内容の相違把握と必要に応じたメーカーへの情報開示請求、などが考えられると説明する。

 薬剤師の勧める後発薬がブランド力を持つには、薬剤師が地道に実力を身につけていく必要がある。4月以降、後発医薬品は薬剤師に任された。その責任も含めて。




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