第一三共、アステラス厳しく
国内製薬大手4社の2018年3月期中間決算が出揃った。全地域で売上が拡大した武田薬品は増収大幅増益、過去の不振から回復基調のエーザイが特殊要因を除けば増収増益と順調だった一方、減収二桁減益のアステラス製薬と大幅営業減益の第一三共は厳しい決算となり、明暗が分かれた。アステラスは降圧剤「ミカルディス」の特許切れ影響で日本事業が二桁の落ち込み、第一三共は降圧剤「オルメサルタン」の特許切れ影響に加え、疼痛治療剤「CL-108」で導入元に権利を返還したことで減損損失となった結果、通期営業利益で期初予想より250億円も引き下げる下方修正を余儀なくされた。通期でも順調な武田・エーザイ、主力製品の特許切れに直面するアステラス・第一三共とで経営環境が2極化しそうだ。
武田は、実質ベースで6.7%増となり、日本を含めた全ての地域で増収を達成した。特に際立っているのが昨年同期比43%増となった潰瘍性大腸炎治療薬「エンティビオ」で、まだ日本では上市していないものの、承認国を着実に増やし既に上半期だけで1000億円近くの大型製品となっている。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。