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OTC普及は薬業界の結束が力に

2017年11月10日 (金)

 先月20~21日の2日間、東京日本橋で開かれたOTC医薬品の普及啓発イベント「よく知って、正しく使おうOTC医薬品」は、今年も多くの来場者で賑わいを見せた。日本一般用医薬品連合会(日本OTC医薬品協会、日本家庭薬協会)、東京薬事協会、東京生薬協会、東京都薬剤師会、東京都医薬品登録販売者協会の主催による同イベントは、今年で10回を数える(厚生労働省、東京都、東京薬科大学、東京商工会議所の後援)

 これまで新宿駅西口地下イベント広場で毎年実施してきたが、10回目の節目を迎えて来場者の定着化もあるなど、趣向を変えて刷新を図る目的から新たな会場に変更した。会場となったのは、昨年秋に遷座された薬祖神社のある東京日本橋室町の「福徳の森」イベント広場と、三井不動産の協力によりコレド室町地下通路スペース(江戸桜通り地下歩道)の2会場。台風の接近も影響して雨中での実施となったが、地上および地下街では出展企業や団体関係者が2日間にわたって来場者の応対に努めた。運営事務局によると、来場者数は約1万人としている。

 本格的な高齢社会を迎え、自分の健康は自分で守るセルフメディケーションの考え方が重要になってきている。中でも、薬局やドラッグストアで購入できるOTC医薬品は自分自身で管理する上で、重要な役割を担っている。同イベントは、OTC医薬品の役割や正しい知識・使い方などの普及啓発、さらには薬局・薬店および薬剤師、登録販売者の役割等を広く浸透させ、国民の保健衛生の維持向上に寄与することが最大の目的。今年も約30社の出展企業が自社ブースで製品紹介とPRを行ったが、今年は主要各社の「ゆるキャラ」が会場内を巡回したことも、イベントの盛り上げに一役買った。

 恒例の模擬薬店コーナー(ドラッグストアの一本堂が協力)では、薬剤師や登録販売者が情報提供を行った上で医薬品サンプルを配布したほか、お薬相談コーナー、懐かしいくすり展、調剤体験コーナー、検体測定室など様々なプログラムを通して、セルフメディケーション・セルフケアの意義を周知することに努めた。なお、3年前から同イベントに加わった「検体測定室」では、今年も糖尿病の指標であるHbA1cの測定を無料で行ったが、会期中の測定体験者は120人で、このうち13人(10.8%)で測定値が高値の人が見られたという。

 在京薬業団体等が中心となり、秋に展開されるOTC啓発イベント。今年は会場が雨の影響を受けたことに加え、これまでと勝手が違う開催場所という“初ものづくし”の面が多かったが、イベントの事前告知や来場者誘導に尽力した関係者の努力もあって、盛況な開催で幕を閉じた。生活者の関心が高い意義あるイベントだけに、今年の教訓をぜひ次回に生かし、さらなる盛況につなげてほしい。



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