【新製品】“感染症予防”を栄養面からサポート‐腸管免疫に着目した乳酸菌飲料発売 ニュートリー

2018年03月16日 (金)

 本格的な高齢社会が到来する中で、予防から予後までの治療を総合的にサポートする「栄養療法」の必要性が高まっている。適切な栄養摂取によって健康の回復・維持を目指す栄養療法は、日本が目指す“健康寿命の延伸”にも欠かせない要素といえよう。「栄養」に特化した食品メーカーとして長年、医療機関・介護福祉施設等との連携を通して栄養療法に貢献してきたニュートリー(本社三重県四日市市)は今月から、新たなビタミン・ミネラル補助飲料「ブイ・クレスBIO(ビオ)」を新発売した。同社では主にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)をはじめとする“感染症の予防・治療”を栄養面からサポートする製品として、医療機関を中心に在宅介護・看護現場、さらには調剤薬局などに向けて提案していく考え。

 ニュートリーでは、食事を飲み込む際に不安を感じる人・嚥下困難者等に向けた水分補給用ゼリー、食物繊維&オリゴ糖配合ゼリーをはじめとした嚥下サポート商品、流動食、栄養素補給商品の開発・販売を通じ、栄養療法を牽引している。

 栄養補給飲料として1994年に発売した「ブイ・クレス」は、1本125mLのコンパクトサイズで1日に必要なビタミン・ミネラルが補給でき、治療食等の高栄養食品とは思えないほどのおいしさで、無理なく継続して飲めることから全国の病院・介護福祉施設・在宅看護現場で採用され、年間230万本以上を出荷してきた。この「ブイ・クレス」がパワーアップし、今回新たに「ブイ・クレスBIO」に生まれ変わった。

 「ブイ・クレスBIO」は、医療現場で問題視される感染症の予防・治療に対して、栄養面からサポートすることを目的に開発された。乳酸菌の一種で、菌体サイズが小さく、多量配合が可能な「E.フェカリス」の“小腸を介した免疫賦活機能”と“菌体のチカラを最大限に発揮できる加熱殺菌処理”に着目し、ヨーグルトの約48倍に当たる6000億個(125mL中)の追加配合を実現した。

 味は従来の4タイプから、キャロット、ピーチ、ラ・フランスの3タイプとなり、甘すぎず爽やかな飲みやすさで、ジュース感覚で毎日続けられる。不足しがちなビタミン類(12種)とカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、セレン等を配合している。配合比率へのこだわりは変わらず、微量栄養素補給をサポートする。乳不使用なので、乳アレルギーの人も利用できる。

 エビデンスに基づく製品開発を進めてきたニュートリーでは、今回のE.フェカリス(加熱殺菌菌体)に関しても動物試験において、多剤耐性菌であるMRSAに対する効果を検討し、その成果は既に薬物療法専門誌などでも掲載されている。

 同研究は、加熱殺菌した乳酸菌E.フェカリス(死菌体)をMRSA感染マウスに投与し、MRSA感染症に対する用量依存性と投与期間による予防効果・治療効果を、生存率や体重減少等で評価を行った。この結果、MRSA感染マウスに対してE.フェカリスが用量依存的に作用すること、MRSA感染前からの予防投与により生存率が高まることが明らかになった。また、感染後からの治療的投与においても効果的である可能性が示唆された。

 同社では「乳酸菌は整腸作用だけでなく、細胞性免疫を活性化し、免疫賦活させる“バイオジェニックス”の一つとして知られ、抗生物質の“アンチバイオティクス”の代替療法としての可能性がある。さらに、乳酸菌の免疫賦活作用は、生菌体ではなく死菌体でも確認されている」として、E.フェカリスのさらなる臨床応用に期待を示す。

 ニュートリーでは、数多くの栄養療法商品を開発する一方で、「栄養指導をする際に、病態や食事の工夫を伝える時に役立つツールが不可欠」として、患者にも分かりやすい冊子(写真右)も幅広く取り揃えて、提供している。

 販路はこれまでも病院や施設が中心だが、「調剤薬局からの問い合わせも結構ある」(PR部広報広告課)そうで、今回の「ブイ・クレスBIO」も医療機関ルートに加え、調剤薬局ルートでの取り扱いを期待し、2年後に年間300万本の出荷を見込んでいる。問い合わせは同社カスタマーサポートセンター(0120-219-038)まで。



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