小野薬品は14日、米国の100%子会社のオノ・ファーマ・US(OPUS、ニュージャージー州)に、5月1日付でグローバル開発本部および戦略研究提携部を新設すると発表した。米国開発拠点の機能充実は、新薬開発における国際競争力の強化や、バイオベンチャー及び研究機関との創薬提携を、より強力に推進することを目的としたもの。
小野薬品では、化合物志向の研究体制から創製された独創的・革新的な新薬候補化合物について、有効性・安全性を早期に確立するため、1998年に海外開発拠点として、OPUSおよび英国の現地法人オノ・ファーマ・UK(OPUK)を設立。日米欧の3極が密接に連携して、世界標準に即した迅速で効率的な臨床試験を実施している。
開発に当たっては、新薬候補化合物の作用メカニズムに基づき、より有効性が期待される患者を対象に臨床試験を実施することで、確実性の向上にも努めてきた。さらに、米国での承認取得を優先度の第1位に位置づけ、米国を中心とした臨床開発に積極的な取り組みをみせている。
現在、同社の開発パイプラインは、国内のプロジェクト数が海外のプロジェクト数を上回っているが、欧米先行型開発をより一層推進することにより、2010年以降には海外における開発プロジェクト数が、国内プロジェクト数を大幅に上回る見込みにある。
このような状況を見据えて小野薬品は、OPUSのさらなる機能拡充を検討した結果、OPUSにグローバル開発本部を設置することになった。
グローバル開発本部は、従来のOPUS及びOPUKの臨床開発担当部署に加え、日本の開発担当部署も傘下に置き、日米欧3極の臨床開発におけるトータルマネジメントを行い、これまで以上に臨床試験を積極的に推進していく。
同社開発本部の松岡昌三専務取締役開発本部長が、OPUSの会長兼グローバル開発本部長として米国に常駐する。