第一三共は、2016~20年度の第4期中期経営計画を見直し、当初掲げていた20年度の数値目標である売上1兆1000億円、営業利益1650億円の達成時期を22年度に後ろ倒しする方針を発表した。米国での疼痛事業の不振や薬価制度改革などによる国内の事業環境の悪化により当初の目標達成は困難と判断。癌領域については、抗HER2抗体薬物複合体「DS-8201」などのパイプラインの価値が向上しているとして、大きな収益が期待できる投資機会と捉え、研究開発投資を20年度までの9000億円から、追加で2000億円上乗せし、22年度までの5年間で合計1兆1000億円に拡大する。眞鍋淳社長は10月31日、都内で会見し、「癌に強みを持つ先進的グローバル創薬企業に向けて転換をさらに加速させる」と25年ビジョンに向けて意欲を示した。
第4期中計は、主力の抗凝固薬「エドキサバン(一般名)」が想定以上の勢いで拡大しており、早期に製品売上目標を達成する見込みにあるものの、米国での疼痛事業では米チャールストン・ラボラトリーズと締結していた制吐剤配合麻薬性鎮痛剤「CL-108」の権利返還や線維筋痛症患者を対象とした「ミロガバリン」の第III相試験で主要評価項目が未達と計画の見直しが必至の状況だった。
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