日本新薬の前川重信社長は6日、大阪市内で開いた連結中間決算会見で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する核酸医薬品について、来年度以降の早い時期に5品目の臨床試験を順に、日米欧で同時に実施する構想を示した。DMDの遺伝子変異の違いに応じてそれぞれ核酸医薬品を開発するもの。今年度内の日米同時申請を目指す核酸医薬品「NS-065/NCNP-01」を含めて、DMD患者の4~5割を一連の薬剤で治療できるようにしたい考えだ。
DMDは、遺伝子変異によって、筋肉の骨組みを作るタンパク質「ジストロフィン」が欠損して筋力が低下する疾患。「NS-065/NCNP-01」は、アンチセンスと呼ばれる合成核酸を用いて、変異したエクソン53がタンパク質に翻訳されることを防ぎ、機能を保ったジストロフィンの発現を誘導する。同剤の対象患者はDMDのうち約8%。ほかにもエクソン44、45、50、51などの変異に対応した5品目の核酸医薬品を開発することで、幅広いDMD治療の実現を目指す。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。