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【薬剤師のスキルアップと生涯学習】昭和大学薬学部 薬剤師生涯研修認定制度

2019年07月19日 (金)

「参加型」講座で知識定着

田中氏

田中氏

 昭和大学の生涯研修プログラムでは、薬剤師に求められる知識が確実に定着することを目的とした「参加型」の講座提供に力を入れている。高血圧症など複数の疾患を対象とした薬物治療学の講座では、受講者によるディスカッションで解決方法を探るほか、薬剤師によるフィジカルアセスメントの講座では心音や血圧測定を行うなど、受講者が主体的に考えることを求める内容となっている。自己研鑽の意欲を持つ薬剤師の相談窓口となるなど、今後は機能拡充も図りたい考えだ。

 2016年に認定薬剤師研修制度のプロバイダーとなった昭和大では、受講者参加型の講座を提供しているのが特徴。薬学教育学講座准教授の田中佐知子氏は、参加型のメリットについて「他のプロバイダーでは座学が一般的だが、薬剤師に求められる技能を身につけることで自信を持ち、患者対応やチーム医療への貢献につなげられる」と強調する。

 今年度は、5月~来年3月にかけて計16講座を開講。「地域包括ケアシステムにおける薬物治療学」では、高血圧症や糖尿病など複数の疾患を対象とし、各疾患ごとに講座を設け2回に分けて実施する。初回はガイドラインを活用して基本的な治療法を解説し、2回目は症例解析を行い、医師がアドバイスする。受講者に意見を求め、患者に適したプランを尋ねる。薬物療法に限らず、食生活など生活習慣の改善も含めるなど、受講者全員で解決に向けた方策を探るため、ディスカッションで結論をまとめる。

 「薬剤師の臨床判断ワークショップ」では、呼吸困難の患者を例に、どのような疾患が考えられるか、どのような薬が適切かを薬剤師が判断できるよう、複数のグループに分けて対応方法を議論する。

 在宅医療に対応するため、薬剤師に求められるフィジカルアセスメントの講座も設置。受講者が人形を使って心音の確認や血圧測定を行い、症例を検討する。

 「薬局における無菌製剤の調製」では、在宅医療が広まり、無菌調剤に対応した薬局が増加する一方、未経験の薬剤師に向け、患者に適した輸液の薬学的管理、調製法について実践形式で学習する。

 患者に配慮した会話も医療者に求められるため、「臨床心理学を活用したコミュニケーション演習」では、患者の心理臨床業務に携わる臨床心理士を招き、適切なコミュニケーションを学ぶ。座学に加え、受講者にロールプレイを体験してもらう。

 「医療情報セミナー」では、副作用・感染症等報告書を作成するために必要な情報収集を紹介。添付文書の見方や医薬品の最新情報に関する情報の取り入れ方について、タブレットやパソコンを活用した講座内容としている。

 「事例から学ぶ在宅医療・症例検討会」では、社会問題となっているポリファーマシーを題材に、在宅症例を小グループに分かれて検討する。看護師など他職種も参加して症例解析を行っている。

 薬物療法に加え、未病や予防に貢献する役割が薬剤師にも必要と考え、運動障害時に役立つ器具の使用体験講座も開設。嚥下障害の際の簡易懸濁法の基礎をレクチャーし、受講者が実技も体験できる。

 これらの講座を修了することにより、昭和大は▽専門発揮▽薬学的臨床判断▽マネジメント▽チーム医療推進▽研究推進――の五つの能力を学習成果として獲得できるとしている。

 各講座の終了後は、受講者に10段階評価で満足度を尋ねるアンケートを行っており、昨年度は全講座平均8.4点と高い評価を得ている。

 田中氏は、「座学で聞いたことは1割も残らないと考えている。ロールプレイした上で、現場で実践し、最後は人に教えるというステップを通じてスキルが身につくので、参加型の教育を受けてもらうメリットは大きい」と語る。

 一方で、田中氏は課題として、「自己研鑽するモチベーションの高い薬剤師に対する相談窓口の役割を果たせていない」ことを挙げ、「メールシステムで相談にのることを検討している。このようなサポート体制をプロバイダーとして持つべきだし、全プロバイダー共通の課題とも考えている」とした。さらに、講座を修了することで得られる五つの能力のうち、「研究推進能力が薬局薬剤師向けではないので、改善する必要がある。研究すべき課題は現場にあるので、大学としてサポートしたい」と語った。

昭和大学薬学部 薬剤師生涯研修認定制度
http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/lifelong_learning/index.html




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