米食品医薬品局(FDA)は2019年12月23日、経口抗凝固薬エリキュース(一般名アピキサバン)初の後発医薬品(ジェネリック医薬品)を承認したと発表した。
適応は、非弁膜症性心房細動患者における脳卒中および全身性塞栓症のリスク軽減、股関節または膝関節置換術を受ける患者における深部静脈血栓症(DVT)の予防、DVTおよび肺塞栓症の治療および再発予防である。
DVTや非弁膜症性心房細動の患者またはそれらのリスクを持つ患者では、血栓に関連して生じる脳卒中のリスクが大きな懸念となる。不整脈の一種である心房細動では、こうした血栓が形成されやすくなる。米疾病対策センター(CDC)によると、270万~610万の米国人に心房細動があると推定されており、多くの人が抗凝固薬を使用している。
アピキサバンはMedication Guideと呼ばれる患者向けの医薬品情報を記した添付文書とともに提供される。禁忌は人工心臓弁を使用している患者および弁膜症性心房細動が認められる患者における使用である。また、すでに承認されているほかの抗凝固薬と同様、出血はアピキサバンの最も重大なリスクである。FDAは医療従事者に対し、出血の可能性を示す兆候および症状について患者に助言すべきことを呼び掛けている。
そのほか、アピキサバンの使用をあまりに早期に中止すると血栓イベントや脳卒中のリスクが上昇する。また、脊髄くも膜下麻酔または脊椎穿刺を行っている患者においては、硬膜外血腫もしくは脊髄血腫が生じる可能性もある。これらの血腫は、長期にわたる麻痺または永久麻痺を引き起こすことがあるため、医療従事者は脊髄・脊椎への処置を計画する際は、これらのリスクについて考慮する必要がある。
アピキサバンのジェネリック製品の承認は、Micro Labs Limitedsy社およびMylan Pharmaceuticals Inc.社が取得した。(HealthDay News 2019年12月26日)
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https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-generics-eliquis