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【薬剤師のスキルアップと生涯学習】NR・サプリメントアドバイザー

2020年07月17日 (金)

サプリ啓発の専門家を育成

NR・サプリメントアドバイザー紹介用のPOP

NR・サプリメントアドバイザー紹介用のPOP

 健康意識の高まりと共に、いわゆる健康食品を利用する人は年々増加傾向にある。日本臨床栄養協会(多田紀夫理事長)では、様々な情報が溢れている現代において、消費者が適切かつ安全に保健機能食品やサプリメント等を選択・利用できるよう、専門的な観点から個人個人の栄養状態を評価し、適切にアドバイスできる「NR・サプリメントアドバイザー」の育成・認定を行っている。同協会は、栄養食事指導を含め「医師・管理栄養士・薬剤師および医療関係者らが連携し、消費者を啓発していくこと」が重要として、「NR・サプリメントアドバイザー」の育成・認定に取り組んでいる。薬剤師を含めサプリメントを扱う多くの人々が同資格を取得し、消費者の信頼を得るため活動の場を広げている。

 保健機能食品等の市場が年々拡大する中で、消費者が当該食品を適切に選択するための情報提供の必要性が以前より指摘されてきた。厚生労働省でも2002年2月に「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的な考え方について」の通知を発出し、保健機能食品等に関する消費者の指導・教育を目指したアドバイザー養成の重要性を挙げている。

 こうした機運の中で、日本臨床栄養協会ではいち早く、保健機能食品やサプリメント等を消費者に適切に相談・アドバイスできる専門家を養成すべく、01年9月に日本サプリメントアドバイザー認定機構を設立した。12年4月からは、国立健康・栄養研究所養成の栄養情報担当者(NR)事業が日本臨床栄養協会に移管統合され、新たな統合資格「NR・サプリメントアドバイザー」となり、今日に至っている。

 NR・サプリメントアドバイザーは、質の確保および向上を図るために認定試験制度と更新制度により認定を行っている。まず日本臨床栄養協会に入会して、研修単位の取得(40単位)を目指す。研修単位は通信教育の受講(ラジオNIKKEIのインターネット通信講座、40単位認定)または年1回開催の学術大会への参加(10単位認定。今年度はウェブ開催の予定)で取得する。そして認定試験(年1回、原則12月に実施)に合格すると、認定証が授与される。合格後は、更新制度により5年ごとの更新が必要となる。

 通信講座の受講科目は、NR・サプリメントアドバイザーの役割と倫理、基礎の生理学、基礎の生化学、人間栄養学、生活習慣病概論、臨床栄養と臨床検査、身体活動と栄養、食品安全衛生学、健康食品、臨床薬理学、食品機能の科学的根拠、行動科学とカウンセリング、国内外の関連法規(食品の健康表示と安全性)──で、いずれも講師は同協会専任で各分野の第一人者が担当している。

 NR・サプリメントアドバイザー認定者は、第1回(13年)から第7回(19年)までの累計で2675人であり、うち薬剤師は325人と全体の約12%を占めている。このほか、多くの医療関係職種が認定を取得し、保健機能食品等を販売する店舗(薬局・ドラッグストア等)、製造・販売会社のお客様相談室、保健所・保健センター、消費者相談機関などで幅広く活動している。

 協会ではこれら各職域で活躍する人々の知識と経験を生かし、広く国民に栄養やサプリメントについて啓発を促すことを目的に、NR・サプリメントアドバイザー資格取得者を対象に、協会の行う活動や他団体からのセミナー講師派遣要請に応える「サポーター登録制度」も設けている。現在は168人が登録しており、協会HPの「登録者一覧」には、このうち掲載可とした96人のプロフィールも紹介されている。

 今年度のレベルアップセミナーは集合開催は中止とし、ウェブ配信となったことで、遠方や仕事の都合で参加が難しかった人も受講しやすくなっている。また「認定試験会場は今年度から、四国の徳島会場が加わり、より多くの人に受験しやすい環境とした」(事務局)とのこと。

一般社団法人 日本臨床栄養協会
NR・サプリメントアドバイザー

http://www.jcna.jp/



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