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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】イイジマ薬局(PHC)

2020年07月31日 (金)

場所を選ばず薬歴情報参照‐クラウド活用で利便性追求

飯島氏

飯島氏

 医薬分業の先進地である長野県上田市において、イイジマ薬局(飯島裕也代表取締役社長)は今年、開局43年目を迎えている。患者や地域住民のために何をすべきかを考え、より専門性を持った丁寧な対応を実践するという姿勢は常にブレることなく、同地区の象徴的な存在であるイイジマ薬局の真骨頂と言えよう。一方で、時代の流れや変化が著しい中、利便や効率といった面へも鋭くアンテナを張る。こうした観点での設備投資も積極的に進めている。

 上田市は、長野県で長野市、松本市に次ぐ第三の都市になる。地域の特色の一つとして挙がるのは、地域住民が基本的にかかりつけ薬局を持っている点だ。この点について飯島氏は、「何十年も前から先輩方が培ってきたもの。それを地域住民も薬局もそれぞれに受け継ぎ、現在も続いているという状況」と説明する。

 イイジマ薬局では現在、薬剤師10人、栄養士兼登録販売者1人、事務スタッフ2人という人員で日々の業務に当たっている。面分業の最たる薬局であり、応需医療機関数は約170に及ぶ。来局する患者層も乳幼児から高齢者まで幅広く、診療科も全てに対応している。

医薬分業の先進地・上田で開局43年目を迎えるイイジマ薬局

医薬分業の先進地・上田で開局43年目を迎えるイイジマ薬局

 そんな同薬局が掲げる理念の中に、「器―専門性と利便性(医療機関らしさ)」というものがある。医療機関らしい利便性について、飯島氏は、「最も難しいことかもしれないが、いつ何時でもアクセスできるようなスタイルを取っておくこと」と強調。「病気はいつかかるか分からないので、開局中はもちろんのこと、閉局した後でも患者さんに対応できるようにしている」とする。

 もう一つの側面として、「患者さんが気兼ねなく相談に来られる雰囲気」も挙げ、「個別ブース設置などのハード面に加え、薬剤師も年齢層や性別にバリエーションを持たせ、患者さんの様々な悩みに対して、より相談しやすい体制を整えている」と話す。

 こうした同薬局の姿勢を支えている一つが、PHCの「DrugstarLeadクラウド薬歴」(開発元は東日本メディコム)だ。携帯電話やタブレットなどのモバイル端末を用いて、服薬指導から薬歴承認まで、薬歴に関係する一連の業務を効率的に完結することができるシステム。また、クラウドサーバーと薬局内サーバーとがリアルタイムで同期することで、最新の薬歴データが常時複製保存されるため、いつでもどこでも薬歴情報の参照や入力が可能となる。

携帯電話などを用い、場所を選ばずに使える「DrugstarLeadクラウド薬歴」

携帯電話などを用い、場所を選ばずに使える「DrugstarLeadクラウド薬歴」

 飯島氏は、「場所を選ばずに使える点が非常に有用。勤務中の在宅対応業務において、患者さんのお宅にうかがって服薬指導を行う際に、その場で薬歴を参照し、処方歴やアレルギー歴、併用薬等のチェックができるのは大きなメリット」と評価する。

 さらに、勤務時間外においても「かかりつけ患者さんの問い合わせ対応に活用している」という。同薬局は年中無休だが、「勤務時間外で自宅にいる時などに患者さんからの問い合わせがあった場合でも、携帯電話を用いて閲覧でき、その場ですぐに情報提供できる」とし、かかりつけ薬局に必要な24時間365日対応という観点からの有用性も指摘する。また、「患者さん側も、レスポンスが早いというのは大きなメリットだと思う」と指摘する。

 一方、今年に入り新型コロナウイルス感染拡大の影響が様々な面へ波及しているが、同薬局も例外ではない。患者数や処方箋枚数の落ち込みは3割近くに及んだ。

 ただ、かぜ症状の患者が医療機関にかからず同薬局に相談しに来局し、解熱剤や咳止め薬を購入していくというケースは増えたという。また、薬をもらうまで薬局内で待つという形は同薬局の場合はあまり見られないが、それでも密を避けるため、発熱がある患者等へ対応する感染症対応窓口も設けている。

 こうした状況下で飯島氏は、「感染拡大のピーク時はマスクや体温計、アルコール消毒剤など患者さんが求めているものが何もなく、薬局・薬剤師として何かできたのかという葛藤はあった」と話す。

 それでも同薬局では、例えば消毒の仕方や消毒剤がない場合の対応といった情報を求めて来局する地域住民に対応したり、体温計が手に入らない患者には同薬局で測定するといった対応に努めた。また、地域の学校や自治会などに対策マニュアルを配り周知徹底してもらうよう情報提供を行っている。こうした姿勢や取り組みによって、不安に駆られる地域住民に十分に寄り添ってきたと言えるだろう。

薬局外での業務に注力

 現在、対物業務から対人業務への転換が叫ばれるなど、薬局や薬剤師を取り巻く環境は変化の時を迎えているが、イイジマ薬局をはじめ上田地域には、以前より対人業務に注力してきたという自負がある。ただ、同薬局はそこにとどまらず、次の時代も見据え、無菌調剤室やハザード室を作り、より高度な在宅業務に対応。調剤ロボット等の導入など、自動化・機械化にも取り組んでいる。一方で飯島氏は、「自動化しても人を削ってしまったら、患者さんへのメリットはあまりない」との考えであり、「無菌調剤室等を使った調剤や、薬局から外へ出て地域住民と関わる業務などに薬剤師がより余裕をもって臨めるよう自動化しつつ薬剤師数も増やした」と語る。今後に関しては、「医療機関等を受診できない状態や、軽症や多忙等を理由にOTC医薬品等を購入した患者さんがその後どのような経過を辿ったか、重症化していないか、改善したのかといった情報を収集し、解析していく必要性があると感じている」と課題を語る。

 開局から43年目を迎えているイイジマ薬局。地域住民・患者のためと、従来から変わらずに貫く姿勢を土台に、時代の流れを的確に捉えた新たな取り組みにも積極的に挑んでいる。

イイジマ薬局(PHC)
https://www.phchd.com/jp/medicom/pharmacies/lead




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