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前代未聞の事件

2020年12月16日 (水)

◆小林化工が販売する経口抗真菌剤「イトラコナゾール錠」に睡眠薬が混入していた問題で、ついに服用した患者に死亡者が出てしまった。主成分が取り違えられて製造され、簡単に市場に流通されてしまった前代未聞の事件。あまりにも痛ましい出来事である
◆担当者が誤って取り違えたにしても、医薬品の安全性を確保する上で組織的な二重三重のチェック網が機能していれば、簡単に防げた。改正医薬品医療機器等法では医薬品の製造・流通・販売に関するガバナンス強化に向けた法令遵守の体制整備が規定されていたはず。現場や経営陣の意識はどうだったのか
◆睡眠薬混入の問題を見つけたのは、薬局だった。患者からの健康相談も増えている。抗真菌剤の服用患者に眠気やふらつきなどの副作用が発現すると聞いて、「おや、変だな」と感じたのだろう
◆医薬品服用後の安全性確保は、薬剤師にとって重要な業務。健康被害は100件を超えたが、患者のために正しい行動をしてくれた薬局、薬剤師がいてくれることに光を求めたい。



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