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注目される日本版CDCの行方

2022年06月24日 (金)

 岸田文雄首相が米国疾病予防管理センター(CDC)をモデルとした「日本版CDC」の創設など、今後の感染症予防対策推進の枠組みについて発表した。約2年間の新型コロナウイルス感染症のパンデミック対応だけではなく、平時から今後発生するであろう新たな新興感染症を想定した対策を進める組織として位置づけている。

 日本版CDCに加え、内閣感染症危機管理庁を発足させるというもので、内閣感染症危機管理庁のトップには感染症危機管理監(仮称)を充てる方針が打ち出された。

 内閣感染症危機管理庁は名称の通り、内閣官房の指揮下に入り、首相が陣頭指揮を執る形で、これまで感染症対策で厚生労働省、経済産業省、外務省など、各省が縦割りで行ってきた部門を統合し、一括で対応できるようにするものだ。これまで以上に指揮系統を明確に簡略化することで、より迅速に動けるようにすることが一つの狙いとなっている。

 一方、日本版CDCは、感染症研究の中核である国立感染症研究所と、高度医療・感染症対策研究の拠点である国立国際医療研究センターを統合して創設される。

 国内では別々に行われている感染症研究と感染症対策を一本化するというもので、厚労省内の関係部署を統合した「感染症対策部」(仮称)を新設し、同部が日本版CDCを管轄することになる。

 イメージとしては、新たな独立機関を創設するのではなく、厚労省配下で有事の際に連携した取り組みを進めることになるのだろう。

 日本版CDCについては、2020年6月に日本製薬工業協会が新型コロナウイルス感染症治療薬・ワクチンの創製に向けた提言で、将来のパンデミック発生に備え、政府主導で平時から感染症領域の研究開発や安定供給体制を整備するよう求めており、平時から有事までの感染症対策を統括する司令塔機能として、米CDCをイメージした日本版CDCの設置を訴えていた。

 今回、こうした製薬業界の提言が実現した格好だが、組織全体の設置時期は明らかにされておらず、概要はまだ固まっていない。

 一方で、5月に来日した米国のバイデン大統領は、日米首脳会談後の共同記者会見でCDCの日本事務所を新設する考えを表明しており、一部では年内にも拠点が整備されるとの見方もある。本家であるCDCの国内拠点との連携のあり方などにも注目しておくべきだろう。

 こうした新たな感染症対策の枠組みの構築と同時に、引き続き行わなければならないのは、これまでの対応策の検証だ。

 直近でも、「2類相当」となっている新型コロナウイルス感染症の法律上の扱いの行方や、3年間で77兆円とされるコロナ対策予算の効果検証など、取り組むべき課題は多く残されている。



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