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問われるのはビジョンの実現

2016年1月22日 (金)

 メーカー73社が加盟する日本製薬工業協会が、産業ビジョン2025「世界に届ける創薬イノベーション」を発表した。ビジョンは1~5と補論から構成されており、ビジョン1では「先進創薬で次世代医療を牽引する~P4+1医療への貢献~」を掲げた。P4とは、Personalized(個別化)、Predictive(予測的)、Preventive(予防的)、Participatory(参加型)で、プラス1はProgressive(進歩的)のことだ。このP4+1医療の実現に貢献すべく、先進技術の積極的な利活用と、既存技術の高度化を合わせて創薬を進化させ、患者の理解のもと、患者ごとに最適な薬を、先制医療を含めた適切なタイミングで提供することを目指す。

 ビジョン2「世界80億人に革新的な医薬品を届ける」では、世界の患者の期待に応えるため、自らが創出した革新的医薬品を届けることを目指す。

 ビジョン3は「高付加価値産業として日本経済をリードする」を掲げた。経営の効率化と研究開発の合理化による創薬で、健康増進に寄与すると共に日本の経済成長にも貢献する心意気を示す。

 ビジョン4の「健康先進国の実現を支援する」では、サブタイトル「心おきなく健康で長生きできる社会に」が付いている。メッセージとしては、心おきなくという表現が秀逸だが、社会保障制度の持続可能性を高めるという点では、医薬品の給付と償還の仕組みにかかる政策提言機能の強化も忘れていない。

 ビジョン5は「志高き信頼される産業となる」である。生命や健康に直結する製品を生み出していくのだから、志は当然高いことは事実である。問題は信頼だ。信頼されるためには、昨年のような不祥事案件が1件も発生しないことが前提条件であり、この点については2025年といわず、今年からぜひとも実現してもらいたい。

 ビジョン2の補論「グローバルヘルスに対する使命と貢献」と共に、ビジョン3の補論として、先に厚生労働省がまとめた医薬品産業総合強化戦略で促されたM&Aに対する返答として、「企業規模・再編に対する考え方」が示された。そこでは、「研究開発型製薬企業は、ステークホルダーの意向を踏まえつつ自らが最適解を求めて決断していく」という、製薬協としての考え方、方向性を打ち出した。

 5ビジョンには、それぞれ実現に向けた戦略のポイントも明記されている。誤解を恐れずに言えば、お題目としてビジョンを描き戦略を立案することは誰でもできる。問題なのは、それを本当に実現できるかどうかだ。真の意味で画期的新薬を創出できるのは、まだ日米欧の3極だけであることを誇りとして、グローバルヘルスの観点から世界中の人々に健康という福音を届けられる“創薬イノベーション”を必ずや実現してもらいたい。たった10年後の話である。




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