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関西が健康・医療分野の先導を

2016年6月24日 (金)

 医療関連業界で「2025年」から連想されるのは約800万人いるといわれる団塊世代が75歳以上に達する年というメルクマールとしての位置づけだろう。

 現在、25年をメドに高齢者が住み慣れた地域で最期まで生活できるようにするための地域包括ケアシステムの構築が推進されるなど、医療介護分野での高齢化対策が大きな課題であることは周知の通りである。

 そうした中で大阪府は16日、その同じ25年に開催の万国博覧会の誘致に向けた基本構想の試案を公表した。万博のテーマとしては「人類の健康・長寿への挑戦」を掲げている。会場候補地としては大阪市此花区湾岸の埋め立て地「夢洲」を想定しているが、今月末に基本構想の策定に向けた検討会を発足して詳細を詰める方向にある。

 大阪府では昨年4月に行政、経済会、有識者で構成する「国際博覧会大阪誘致構想検討会」を設置。8月には大阪誘致の可能性について検討を行い、▽20年の東京オリンピック・パラリンピックに引き続き、大阪で国際博覧会を開催することは、誘致の段階から様々な効果が期待できる▽国際博覧会は、国家プロジェクトであることから、国や地元が一丸となって取り組んでいくことが必要――などの意見がまとめられている。

 特にテーマに含まれる「健康・長寿」に注目したい。進む高齢化や健康増進対策は日本だけではなく、グローバル的な人類共通の問題である。21世紀以降の万博開催は人類共通の課題の解決策を提示する「理念提唱型」が中心。現在、日本は国を挙げて「国民の健康寿命が延伸する社会」の実現に取り組んでいる。『2025年』に人類の英知を結集し、世界に健康長寿社会の実現をもたらす成功事例や成果を示すという意味でも時宜を得ている。

 また、大阪を含む神戸、京都などの関西圏には、関西イノベーション国際戦略総合特区の指定を受けるほか、大阪道修町には古くからの製薬会社が拠点を構えるなど、ライフサイエンス関連機関の施設が多く存在する。そうした健康に関する最先端の技術や、研究成果を世界に示すという意味での地の利も生かせる。

 今後、大阪府では検討会で本構想をまとめる。政府が大阪への万博の誘致を閣議了解を得た上で、博覧会国際事務局に立候補するというスケジュールだ。最終的に開催地が決定されるのは2年後の18年のようだ。

 まずは、20年開催が決定している東京オリンピック・パラリンピック後に、日本経済の持続的な発展を支えつつ、大阪の副首都化を促進し、東西二極の一極として日本の成長を牽引していくためにも万国博覧会を大阪で開催することの意義は大きい。「2025年」の将来、大阪、関西地域が健康・医療分野の先導役を担い、世界に発信している姿を期待したい。




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