第57回日本薬剤師会学術大会
座長
埼玉県薬剤師会青年部副部会長
寺本卓矢
埼玉県薬剤師会青年部副部会長
清水敦子
本プログラムは分科会から派生した、開催県である埼玉県薬剤師会の特別企画である。この企画の見どころは、若手薬剤師からの視点にフォーカスしているところである。薬剤師を取り巻く環境は刻々と変化しており、医療DXをはじめとする社会的な動きは新しい時代に入る兆しを示唆している。それに伴って、薬剤師の役割が改めて問われているが、ここまでの変遷や現状は若い薬剤師の目にはどう映っているのか、また自分たちの職能の未来をどう考えているのか、若手薬剤師の声を聞いてみてほしい。
演者は全員6年制卒の若手薬剤師である。そして厚生労働省、薬局、ドラッグストア、病院と各フィールドから集結しており、多角的な視点での見解が期待される。
基調講演は厚生労働省地域医療計画課の池田大輔氏。現在、各都道府県において第8次医療計画に基づいた取り組みが実施されているが、その最新の医療計画情報を切り口に、「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、薬剤師への期待や目指したい薬剤師像が示される。
続く講演1は中央薬局の長塚健太氏。「健康から看取りまで」人生の全てのフェーズで薬剤師は支援できるという気づきから、特に健康な方へのアプローチを「かかる前薬剤師」と称し、一次予防の視点で一貫した活動が紹介される。講演2ではウエルシア薬局の伊藤龍児氏がドラッグストアの地域活動について講演する。「病気が人生の枷になってほしくない」という自身の価値観から、薬局から外に出て、地域で健康サロンを展開している。講演3では自治医科大学付属さいたま医療センターから萩原瑛里香氏が講演する。病院薬剤師が起点となる地域連携として、院外処方箋への検査値記載をきっかけに地域薬局との連携の様子などが紹介される。
もう一つの見どころは後半のパネルディスカッションで、会場参加型のディスカッションを計画している。演者間の討論だけでなく、参加者のスマホやPC端末を通して薬剤師職能に関するアンケートを全員に実施し即時集計して表示する。
薬剤師の彩ある職能の可能性、未来を切り開く力になる、夢ある討論を期待したい。
(武笠真由美)