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【医薬品市販後の安全情報管理最前線】アリスグローバル

2023年09月13日 (水)

安全性ソリューションで実績‐業界標準システム構築へ

マーフィ氏

マーフィ氏

 アリスグローバルが提供している安全性管理システム「LifeSphere Safety」は、製薬企業の安全性情報管理において有害事象データの収集からプロセス、解析、当局への副作用報告まで自動化したプロセスで支援できるのが強みだ。同社は、日米欧の製薬大手と共同で業界標準の安全性管理システムを構築していくための標準化フォーラム「ISP」を立ち上げ、グローバル標準の安全性システムでありながら、日本市場で顧客の声から必要な機能拡充にも積極的に取り組んでいる。

 同社は安全性、治験、薬事、医療情報、品質管理と様々な事業領域でソリューションを提供し、最も強いのが安全性ソリューションである。日本でも15年以上前から製品を提供してきた実績を持つ。

 アリスグローバル日本法人のジョン・マーフィ社長は、他社が提供している安全性システムとの差別化要因として、「統合的な安全性プラットフォームであり、自動化プロセスによる安全性情報の収集、プロセス、解析が本番環境で稼働しているのが強みになる」と強調する。例えば、報告された有害事象が新規症例であるか、既に報告されている症例のフォローアップであるか、システム上で重複がないかをチェックでき、有害事象の重篤性も人の手を介さずに判定することも可能だ。これはRPA(Robotic Process Automation)によるタッチレスのプロセスの機能で自動化を可能にしている。

 文献情報の評価や安全性シグナルに関連したソリューション、メディカルレビュアーを対象とした有害事象と薬剤との因果関係の評価についても、これまで手作業で複雑だった作業を自動化プロセスで科学的な評価が行える。MRの有害事象症例の報告は、スマートフォンやパソコン上の専用アプリで行うことができ、入力段階で同時に必要な項目が入力されているか、入力内容に誤りはないかなどのエラーチェックを自動的に実施し、第一報の症例報告の正確性を高め、安全性管理部門に有害事象情報が瞬時に集積されていく仕組みも整備した。

 症例報告の記載内容がMedDRAなどの医学辞書に沿った表記になっているのかを自動的にチェックしてコーディングする機能や、文献やコールセンターのログなど非構造化データを自動的に分析して必要な情報を抽出し、症例データにする機能もある。

 日本市場で顧客サポートを強化するため、人員を増強している。カスタマーサポート部門が日本語によるサポートを行い、システムの不具合や緊急対応が必要となる問題が発生した場合にはカスタマーサクセス部門がカスタマーサポートとの連携を通じて解決に導いている。

 さらに今後は、ISPを通じて顧客がシステムに求める機能や改善点を聞き、ユーザーの声からシステムの機能拡充に力を入れていく。副作用の電子的報告手順を規定した「E2B(R3)」について日本が世界に先駆けて適用された際には、アリスグローバル日本法人が顧客と協議の場を持ち、グローバルシステムへの必要な機能改善に結びつけてきた実績があり、継続的なサービスの改善に取り組む。

 システム管理の面でも、グローバル展開を進める企業で日本と日本以外で複数の安全性データベースを運用している場合には、アリスグローバルのグローバルシングルデータベースを訴求し、安全性情報の一元管理を後押ししたい考えである。

 マーフィ氏は、「全ての顧客にわれわれのシステムを導入したい。グローバル売上トップ50の製薬企業がターゲットだが、日本で中小規模の製薬企業にもアプローチしていきたい」と話している。

アリスグローバル(LifeSphere Safety)
https://www.arisglobal.com/



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