京都薬科大学臨床薬剤疫学分野の村木優一教授、豕瀬諒助教らの研究グループは、国内の大規模保険請求情報を用いた解析で、抗癌剤のドセタキセル(DTX)の血管外漏出発現率は0.075%であることを明らかにした。多施設、多症例のビッグデータに基づき同発現率を報告したのは初めて。一つの基準値として、自施設での血管外漏出防止対策の評価や見直しに役立ててほしいとしている。
メディカル・データ・ビジョンが保有するDPCデータベースから、2008年10月~20年12月末の間にDTXが単剤で初回投与された癌患者を抽出し、投与前月に血管外漏出が生じた患者32人を除外した4万6698人を母数として解析した。患者のうち、DTX投与期間中に抗癌剤漏出性皮膚障害、薬剤漏出性皮膚障害と診断されたのは35人で、血管外漏出の発現率は0.075%だった。
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