アイ・ティ・イーCEO・パンカジ・ガルグ氏の連載「インド市場の特性と文化的理解で拓く新たな可能性」が10月より始まります。
コラムへの想い
私は35年以上日本に住んでおり、インドの価値観を保ちながら、個人としてこの国の一部になりたいと常に考えてきました。私の家族はビジネスに関わる家庭で、祖父の兄が1959年に在日インド大使館の副大使を務めるなど、世界中に親戚や友人がいます。この経験から、私は国、文化、人々を少し違った視点で見るようになりました。日本とインドは歴史、文化、宗教に深く根ざした強い絆を持ち、互いに補完し合う関係にあります。第二次世界大戦中の日本のインド支援や、両国間の精神的つながりはその証です。
私は、このシナジーを活かし、インドのグローバルリーダーシップと日本のビジネス、製造、運営の卓越性を結びつける強力なパートナーシップを築くことを信じています。共に、仏教とカルマの真髄を体現し、世界を一つの家族として平和と繁栄、知恵をもたらす未来を切り開けると確信しています。
今回のコラムではインドと日本を結びつけるために、インドとインドのヘルスケアについての様々なトピックを全9回に渡り、掲載いたします。
プロフィール
アイ・ティ・イー株式会社
CEO パンカジ・ガルグ
国立工科大学でコンピューターサイエンス工学を専攻し、米国フォックスビジネススクールにてMBAを取得。34年前に日本に移住以降、AIやロボティクス、半導体等の分野を専門として神戸製鋼所、安川電機、インテル、NASA/カリフォルニア工科大学のスタートアップなどで活躍。専門分野はR&D、エンジニアリング、製品製造、そしてグローバル規模の技術営業およびマーケティングなど多岐にわたり、半導体、グリーンエネルギー、次世代エネルギーに関する30以上の特許を保有しています。
気候変動やフードロス、医薬品のコールドチェーン不足などのグローバルな課題に取り組む使命に駆られ、シームレスでグローバルスタンダードとなる低温物流システムを開発することを目指し、インテルを退社後、2007年にアイ・ティ・イー株式会社(ITE)を完全自己資金で設立しました。
現在、ITEは国内外250社以上のクライアントにサービスを提供し、インド市場でも成長を続けています。日本の技術革新と“ものづくり”の品質へのこだわりに触発され、ビジネスの卓越性、誠実さ、継続的改善の文化を育んできました。指導原則は、バガヴァット・ギーターに示されたカルマの教えや改善(カイゼン)に基づき、特にアメリカでの豊富なグローバルビジネス経験から形成された、ITEの顧客第一の哲学を形作っています。
また、DX、半導体、医療用コールドチェーン、製薬、GDP/GMP基準、ライフサイエンス、アーユルヴェーダ、ヨガ、食品産業に関する深い知識を持っています。この多様な知識は、彼が複数の分野で成功する上で重要な役割を果たし、コールドチェーン物流、気候変動対策、グリーンエネルギー分野におけるビジョナリーリーダーとしての地位を確立しています。