シスメックスはこのほど、グループ初の診断薬・機器双方の生産機能を備えるインド生産拠点が4月から本稼働し、Make in India政策に対応したインド市場向け多項目自動血球計数装置XQシリーズ(XQ-320)の現地生産を開始したと発表した。
インドは、経済成長、雇用の創出、インフラや技術革新を促進するためMake in India政策を推進しており、これに対応して自国産製品を優遇する公共調達を浸透させている。同社はこの政策に対応し、公共調達への参加資格の要件(現地生産・現地部材の組み入れ)を満たすXQ-320について、新しい現地生産拠点での量産化を実現させた。
新しい拠点は、グループ最大規模の延べ床面積を誇り、診断薬と機器の両製品を生産する。機器生産は中国に次ぐ海外生産拠点で、診断薬生産は既存の現地試薬工場に比べ生産能力は約4倍に拡大する。また、ゼロリキッドディスチャージシステムを導入し環境への配慮も徹底している。
同社はこれらにより、インド市場向けの製品の安定供給を強化し、顧客満足度の向上と事業展開の加速を目指していく。
XQ-320は、コンパクトな高性能白血球3分類モデルで、特に公共調達で対象となる中小規模の医療機関向けの製品。品質基準を満たす現地部材サプライヤーの選定、現地スタッフの教育など様々な取り組みを通し、シスメックス品質を担保するインド産製品の量産体制を整備した。将来的な白血球5分類モデルへのアップグレード需要も見据え、白血球3分類モデルの市場シェア拡大を図る。
新拠点の所在地は、インド共和国グジャラート州のサナンドII工業団地で、敷地面積は1万8100m2、延べ床面積は1万0600m2、投資総額は約30億円。