富士レビオ・ホールディングス傘下の米国のFluxus,Inc.はこのほど、同社の超・高感度検出技術を活用した全自動免疫測定システムに用いる結核用検査試薬ならびに結核迅速診断のためのポータブル小型デバイス、それに対応した検査試薬の開発に対し、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)から2年間で約6億8000万円の助成を受けることが決まった。
結核の検査は喀痰を用いた方法が主流だが、子供など喀痰の出ない患者には適用できないほか、検査可能な結核の種類が限られるなど、現在の結核診断法には多くの課題があり、より精度の高い迅速な結核診断法の開発が求められている。
富士レビオグループは、尿中に排出される結核菌特有の成分であるリポアラビノマンナン(LAM)に着目し、Fluxusの超・高感度検出技術を活用しLAM抗原を検出することで結核菌の有無を判定する検査試薬や、迅速診断に用いるポータブル小型デバイスなどの開発および実用化に向け、Rapid Research in Diagnostics Development(R2D2)for TB NetworkおよびStanford University and Health Careと強力して取り組む。
GHIT Fundは、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業、ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民パートナーシップ。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資を行っている。同ファンドは、治療薬、ワクチン、診断薬を開発するため、日本の製薬企業、大学、研究期間の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進させている。