阪急阪神ホールディングスと日立製作所大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科学講座はこのほど、超高齢社会における持続可能な医療モデルの構築を目指し、健康・医療・介護に関する情報を集約したPHRアプリなどのデジタル活用による「在宅心不全自己管理支援サービス」の構築および社会実装を目指した共同検討を開始した。
阪急阪神HDと日立は、2024年にウェルビーイング阪急阪神、おいしい健康と共同で、経済産業省の「23年度補正PHR社会実装加速化事業(PHR利活用促進に向けた調査及び日常生活におけるPHRを活用したユースケース創出に向けた実証調査事業)」における「PHRの異業種企業間の連携を通じた日常生活におけるユースケース創出に向けた実証事業」の実証事業者として採択されるなど、健康寿命が延びる沿線・地域づくりに寄与すべく、ヘルスケア分野における新たなサービス創出を共同で推進してきている。
また、阪大の宮川繁教授の研究グループは、特に重症の心不全患者(心不全ステージD)に対する左室補助人工心臓(LVAD)の植え込み治療およびその後の在宅治療に取り組む中で、24年から、患者・介護者の負担軽減と医療資源の適正配分を目的に、多職種情報連携ICTを活用した地域医療主体の在宅LVAD治療システムの臨床研究を推進している。ICTの活用により、在宅LVAD患者と介護者のQOLに有意な改善がみられることを確認している。
これまでの取り組みの成果を踏まえ3者は、心不全患者を対象として、ICT・PHR・AIを活用した自己管理により、重症化・再入院の予防を支援するサービスの構築に向けた共同検討を開始している。患者の自己管理の継続と行動変容の促進に加えて、多職種へのPHRデータの共有を図ると共に、患者・多職種間の双方向のコミュニケーション機能により、多職種から患者への適切な介入の継続実施を支援する。
25年度は、経済産業省の「25年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業(PHRを活用した多職種連携におけるユースケース創出に向けた実証調査事業)」における「多職種連携におけるPHR活用ユースケース創出実証事業」の実証事業者として参加し、サービス実証を行う。
この実証では、25年11月から今年1月の3カ月間、阪大病院に通う心不全ステージDの患者を対象としてPHRアプリおよび多職種情報連携 ICTを活用したサービスの提供を行う。
今回の実証を通じ、これらのサービスが患者・介護者のQOL向上および多職種の業務効率化・ケアの質向上にもたらす効果の検証や、そのために必要なPHRデータ項目の抽出などを行う。さらに、患者・多職種双方からのマネタイズによる持続可能なサービスの構築に向け、地域医療を担う多職種からの意見を集め、ビジネスモデルの具体化を進めていく。
先ずは、最も細やかな情報連携が必要となる心不全ステージDの患者を対象としたサービスを構築した上で、今後、より患者数が多く社会的インパクトが大きいステージC、ステージBの患者への適用拡張を目指していく。
さらに、26年度以降は参画医療機関および対象患者数を拡大し、患者の重症化・再入院の予防による医療・介護費の削減効果、患者・介護者の就労継続による経済効果なども含めたエビデンス・データの蓄積を進めていく。これにより、このサービスの社会実装や蓄積データを活用したAI診療支援などへのサービスの拡張を行い、国や自治体を巻き込んだ持続可能な医療モデルの実現と、ヘルスケアエコシステムの構築を目指していく。
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