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激化が予測されるジェネリック薬市場

2010年8月27日 (金)

 4月以降、ジェネリック医薬品(GE薬)メーカーの売上高が好調に推移しているようだ。今月上旬までに2011年第1四半期決算を発表した大手3社は揃って増収を達成。沢井製薬(対前年同期比31.9%増)、東和薬品(15.6%増)、大洋薬品(11.2%増)と増収を達成。このほか上場企業では、富士製薬の第3四半期決算(10年4~6月は14.8%増)、日医工の上半期決算(09年12~10年5月)でも、4月以降の傾向として増収基調の動きが見られる。業界関係者からも大手、中小を問わず、GE薬メーカーの売上高は「総じてよい」との話が聞こえてくる。

 4月の診療報酬改定に伴う後発品使用促進策として「後発医薬品調剤体制加算」が、数量ベースで3段階の加算に変更された影響などで、新たな体制加算を取得しようとする保険薬局市場を中心に、販売額が大幅に増加しているためだ。ただ、調剤薬局の場合、GE薬の在庫確保という面から、卸からの出荷ベースの数字が基本。実際の薬局現場でGE薬への切り替えが本格的に進むかどうかは、今後の状況を見て判断しなければならないだろう。このため各社とも、通期の業績予想は当初発表から変更していない。

 こうした使用促進が進む一方で、医療専門ユニット「フライシュマン・ヒラード・ジャパン」が国内GE薬市場で医師が期待する会社を調査したところ、「新薬大手」との回答が約4割を占めた。「後発専業」は約2割強、「新薬中堅」は1割強という結果だった。多くの医師が安全性・信頼性、情報提供、安定供給に加え、販売後の対応などが、未だに重視されている現状がうかがえる。

 政府は2012年度までにGE薬数量シェア30%以上を目標とし、多くの使用促進策を打ち出しており、中でも「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」に基づいて、GE薬メーカーに様々なハードルを課すことで、安心できるGE薬の供給体制の確立を進めている。こうした取り組みに対し、医療機関の医師への理解、認知度がまだまだ不足している現状を示すものでもある。

 政府の使用促進策が逆に、既存のGE薬メーカーの再編や淘汰を促すことにもなっている。アクションプログラムをクリアするためには、多くの投資が必要で、必然的に中小メーカーにとっては大きな負担となる。

 一方、先進諸外国に比べ、まだまだ低いものの、GE薬シェアを30%に引き上げるという政策は、海外GE薬企業にとっても魅力的に映るのは必然だ。GE薬市場のさらなる拡大を見越した外資や国内異業種などと、生き残りを図る上での提携も活発化している。

 これまでに、インドのルピンによる共和薬品の買収。GE薬世界最大手のテバも、合弁会社の興和テバを通じて、中堅企業の大正薬品を買収。日医工もフランスのサノフィ・アベンティスと合弁会社を設立し、資本参加を受け入れた。また、異業種では、富士フイルムホールディングスが市場参入を表明しており、今後、GE薬使用促進と共に、業界再編の動きも目が離せない。

 GE薬の使用促進は、まずは「医療費抑制」、次いで「患者負担の軽減」という考え方がベースにあるということは分かる。国内シェア30%の目標数値を達成するためには、既存のGE薬メーカーにとっても、企業存続という大きなハードルをどうクリアしていくかが課題だが、そのために、国民に資するGE薬の使用促進が損なわれないような対策も必要になる。




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