京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)が、再生医療用iPS細胞バンクの構築に向け、医薬品医療機器総合機構(PMDA)による薬事戦略相談の対面助言を開始したと発表した。18日付リリースで「規制的課題を克服するための第1歩を踏み出した」としている。対面助言まで至った初のケースとなる。
薬事戦略相談は、医薬品や医療機器のシーズを実用化につなげるために、治験に至る前の開発初期段階で、薬事の承認審査を見据えた試験デザインなどについて、PMDAから助言が受けられるもので、7月から始まった。
京大iPS研は、拒絶反応の低い白血球の型を持つ人の皮膚などの組織から作製した移植用のiPS細胞を凍結保存する「臨床用iPS細胞バンク」の構築を目指している。患者ごとにiPS細胞を作製する手間を省けるため、移植細胞の準備期間の短縮や費用の削減につながり、多くの難治性疾患や急性期の傷病の治療に対する再生医療の実現が期待できる。
従来にはない新たな技術だけに、規制への対応が難しく、PMDAによる1回目の対面助言が9月21日に行われたという。