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違法ドラッグ、監視体制強化を

2012年7月6日 (金)

 厚生労働省や都道府県、麻薬・覚せい剤乱用防止センターなどが薬物乱用防止を啓発する「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が先月20日から今月19日にかけて行われている。

 最近では、麻薬に似た作用を持つ“脱法ハーブ”と呼ばれる違法ドラッグが若者らを中心に蔓延し、社会問題化している。いわゆる脱法ハーブは、自動販売機で販売されているケースもあり、違法ドラッグが公然と販売されている実態は異常で、早急な規制強化が必要だ。

 厚労省は、薬事法で取り締まりの対象となる薬物の化学構造を指定している。先月には、新たに9種類の化学物質を指定し、今月から治療や研究、試験などに用いる以外、製造や輸入、販売をすることを罰則付きで禁止した。

 指定薬物の指定は通常、年1~2回程度開かれる薬事・食品衛生審議会薬事分科会指定薬物部会で決まるが、今年は開催頻度を高め、指定薬物の迅速な指定に努める姿勢を厚労省は示している。

 今月4日には、「指定薬物」4物質を「麻薬」に格上げする政令を公布し、8月3日から、製造、輸入、販売だけでなく、所持、使用、譲渡、譲受もできなくなるようにするなど、矢継ぎ早の対策を講じている。

 しかし、同じ症状を引き起こす物質でも、わずかに化学構造が違えば規制の対象外となってしまうため、構造を少し変えただけの商品がすぐに出回る“いたちごっこ”状態が続いている。

 指定薬物を指定するにも、健康への影響を調べ審議会に諮るなど手続きにある程度の時間を要する。そうした事情を知りながら、規制をくぐり抜けようとする販売業者は悪質としか言いようがないが、これ以上、対応が後手に回らないような方策が必要だ。

 厚労省は、指定物質と化学構造の主要成分が一致していれば一括して規制の対象にできる「包括指定」の導入を検討している。

 英国では、主要な成分の誘導体を一斉に規制の対象とし、販売を取り締まる方式が導入されているが、指定の範囲に幅が生じてしまい、規制範囲が不明瞭になってしまうなどの課題もあるという。規制される物質の範囲がある程度限定されるような仕組みが必要だ。

 厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会が取りまとめた報告書には、麻薬取締官の職務範囲に指定薬物の取り締まりを行うための規定を新設することを盛り込んでいる。

 麻薬取締官は、麻薬、覚醒剤、大麻しか取り締まることはできないが、薬事法の指定薬物も取り締まりの対象にするというものだ。政治の混乱により、薬事法改正案の国会提出は不透明な状況だが、早期に監視体制が強化される仕組みの構築が必要だ。




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