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【CSOのいま】医療現場ニーズ立脚で差別化‐メディサイエンスプラニング

2013年08月21日 (水)
浦江明憲CEO

浦江明憲CEO

 CROパイオニアのメディサイエンスプラニングがCSOビジネスに参入したのは5年前。現在のところ業界内のポジションは中堅だが、質の高い人材育成には定評がある。また、エムスリーのウェブツール「MR君」と対面ディテールの融合や、元プロスポーツ選手をはじめとするトップアスリート出身MRの派遣といったサービスも特徴だ。さらに、新たな差別化メニューやコントラクトMR(CMR)の大幅増員を計画しており、中期的にトップグループ入りを目指している。医師として日米で医療に従事した経験を持つ浦江明憲CEOを訪ねた。


 豊富で良質な情報を効果的に医療現場へ伝えるには、よりイノベーティブな方法をトライ・アンド・エラーで考えていくしかない。

 その際、製薬企業のアンメットニーズを満たすだけではなく、医療現場のアンメットニーズに立脚してわれわれは戦略を構築している。取引相手は製薬企業だが、実際の業務内容は医療機関・医師を受益者とした情報の提供が中心になるからだ。これまで国内外の様々な医療機関を見て、日本は診療レベルは高いものの、情報の蓄積や利用が遅れ、それが病院運営の判断にも影響していると感じた。

 医療のネットワーク化が進む中で医薬品を含めた情報伝達の必要性が増し、さらに後発品の使用拡大もあって医療機関に情報が十分に届いていない部分があれば、そこを埋めていこうという発想で、新たな柱としてCSO事業を展開していく。

 当社の事業で中長期的に最もインパクトが大きいのは、エムスリーとの資本・業務提携に基づくMRの“e武装化”だと考えている。多忙な医師に対面で情報を伝えることは簡単ではない。ところがエムスリーの「MR君」は会員登録する全国23万人の医師がウェブ上から自由な時間に情報へアクセスしている。このシステムを使えばコミュニケーションの複線化が可能になる。もちろんウェブ上で完結するものではなく、対面のコミュニケーションが不可欠だが、面会頻度が減れば、より多くの医師をカバーできる。長期収載品など人手をあまり投入できないにもかかわらず処方医が多い製品や、逆に抗癌剤などMR育成が難しい専門領域でより大きな効果が期待できるのではないか。

 まずは製薬企業からの要望の多い内部MR向けe武装トレーナーの提供を先行させ、顧客の要請に応じてe武装化した当社のCMRの派遣を進めていく。

 トップアスリート出身のCMRも増やしていく。現在は元プロ野球選手、元Jリーガーなど約10人だが、スポーツで一流を極めた人材は医師との関係をスムーズに構築できるため、MRとして大変戦力になる。一方、引退後のセカンドキャリアに新たな選択肢を提供できるため、アスリートにとっても非常に良いプランではないかと思う。

 もうひとつ、アスリートMRに似たコンセプトで、人材を活用していくプロジェクトを企画している。

 このほか、全体の事業規模を拡大させる。3年後をメドにCMRを300~500人程度まで引き上げたい。単純に数を増やすだけでなく、効率化を図りながら業界トップグループ入りを目指す。

 現在の100人規模とは目の届き方が変わり、中間管理職の能力が問われるようになるため、マネジメントの仕組みを進化させることが課題となる。人材教育の質も他社より半歩でも先を行こうという想いでバージョンアップを重ねていく。


この記事は、薬事日報2013年4月17日号に掲載された記事です。



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