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検査値や電カル情報の活用を

2014年5月2日 (金)

 外来患者のチーム医療の一員として薬局薬剤師が力を発揮するための情報面の環境が、各地で整備されつつある。院外処方箋の記入欄や、インターネットを利用した安全な通信網を通じて、基幹病院の検査値や電子カルテの情報を薬局薬剤師が閲覧できる仕組みが、いくつかの地域で稼働している。この環境を生かして薬局薬剤師は、医療の質や安全性の向上に貢献できることをアピールすべきだろう。

 薬局薬剤師に関係する情報開示には、大きく分けて二つの動きがある。一つは、院外処方箋への検査値の表示だ。

 京都大学病院が2013年10月から実施し、大きな注目を集めた。院外処方箋を発行する全外来患者を対象に、腎機能や副作用などの指標になる13項目の検査値を下部に表示。必要な情報が確実に伝わるようにした。

 京都府立医科大学附属病院も14年1月から、京大病院と同じ様式で院外処方箋への検査値の表示を開始した。ほかにも各地の複数の大学病院が実施の準備を進めていると聞く。今後、検査値表示の動きは全国に広まりそうだ。院外処方箋ではないが、福井大学病院は11年3月から、A4用紙の左半分に院外処方箋、ミシン目で区切った右半分に検査値などを印刷し外来患者に渡している。

 院内システムを変更してまで検査値を表示する病院側の狙いは何か。チーム医療の一員として、腎機能に応じた投与量の適正化や副作用の早期発見などの役割を、今まで以上に果たしてほしいとの期待が背景にある。医薬分業に逆風が吹く中、これを追い風と捉えて流れに乗るべきだ。

 もう一つの動きは、基幹病院と地域の中小病院、診療所間の情報連携ネットワークへの薬局の参加が、各地で進んできたことだ。これは、安全な通信網を通じて基幹病院の電子カルテ情報を、地域の医療機関が閲覧できるもの。富士通の「HumanBridge」やNECの「ID-Link」というシステムを使って構築されることが多い。

 薬局が参加する事例としては長崎県の「あじさいネット」、静岡県の「ふじのくにねっと」、尾道市の「天かける」などがある。最近では岡山県の「晴れやかネット」に98薬局が参加し、3月中旬から活用が始まった。今後、他の地域でも同様のネットワークが構築される見通しだ。

 利用には、▽インフラを整備し会費を負担する薬局しか使えない▽同意を得た患者に限定される▽閲覧可能な情報の範囲は地域や病院によって異なる――などの制限がある。しかし、検査値に加えて、地域によっては病名、画像データなどを閲覧できることは大きなメリットになる。

 京都府薬剤師会や岡山県薬剤師会は、入手した情報をうまく活用できた事例を共有化する計画だ。事例を集積して、薬局薬剤師への情報開示には意味があることを知らしめてほしい。さらなる連携強化につながるはずだ。




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