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【バイオベンチャーを探る1】ペプチドリーム

2014年12月10日 (水)

ペプチド医薬、20年に製品化目標‐製薬9社と共同研究が進行

窪田規一社長

窪田規一社長

 ペプチドリームは、低分子医薬や抗体医薬では狙えないような抗原を標的としたペプチド医薬の開発を進め、存在感を示している。生体内蛋白質を構成する20種類のアミノ酸だけでなく、自然界に存在する特殊ペプチドを組み込んだ医薬品候補物質として創製する技術を確立した。既に製薬9社と共同開発を進め、六つのペプチド医薬が臨床試験準備中にある。窪田規一社長は、「2020年にはペプチド医薬品を患者さんに届けたい」と先を見据える。

 ペプチド医薬は、低分子医薬に比べ分子量がやや多い500~2000程度。様々な標的分子に対して、選択的に強く結合し、細胞内にも作用するなど、低分子医薬と抗体医薬の長所を併せ持つのが特徴。言い換えれば、抗体医薬を経口剤に変えられる可能性も秘める。こうした期待からペプチド創薬を試す製薬企業もあったが、生体内20種類のアミノ酸だけでは、「生体内での半減期が短い」「細胞膜を透過できない」「スクリーニングするのに必要な多様性を持ったライブラリーがない」といった問題点があり、実用化されてこなかった。

 突破口となったのは、東京大学の菅裕明教授が開発した「フレキシザイム技術」。20種類以外の特殊アミノ酸とtRNAの結合を翻訳合成によって実現し、これまでにないペプチド合成を可能とすることで、ペプチド医薬の問題点を克服した。

 同社は、フレキシザイム技術をもとに一つの試験管から数千億~兆単位に及ぶ特殊ペプチドライブラリーを構築しており、全て併せると10~20兆種類にも上る。その中から標的分子の特徴に応じて、高効率・高精度に最適なペプチドを迅速にスクリーニングする方法も確立した。窪田氏は、「わずか3週間で1兆個の特殊ペプチドをスクリーニングできる」とプラットフォーム技術に自信を示す。

 現在、スイスのノバルティスや英グラクソ・スミスクライン、英アストラゼネカ、米ブリストルマイヤーズ・スクイブなど外資系を中心に9社と提携している。26種類の開発パイプラインのうち、6つが非臨床試験を終えて臨床試験準備中だ。

 中でも、ブリストルと共同開発中のPD‐1、PD‐L1を標的としたペプチド医薬に大きな期待をかける。抗PD‐1抗体、抗PD‐L1抗体は、悪性黒色腫などの適応で世界各地で承認されている注目の癌免疫療法薬だが、ペプチド医薬にすることで中和抗体による効果減弱を改善できるという。癌・感染症の適応で臨床入りを目指す。

 今後は、製薬企業との共同開発に加え、技術ライセンス権供与、自社創薬の三つが事業の柱。技術ライセンス供与先は共同開発企業に限定する方針を示し、ブリストルとは契約を締結済み。窪田氏によると、「技術使用料だけでなく、製品化した場合の売上ロイヤリティを受け取れるようにしている」と長期視点で利益を安定的に最大化する仕組みだ。自社創薬にも着手し、ペプチドと低分子医薬をリンカーで結合させたコンジュゲードペプチドの実用化に挑む。

ペプチドリーム
http://peptidream.com/


この記事は、「薬事日報」本紙および「薬事日報 電子版」の2014年10月22日号に掲載された記事です。

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