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【バイオベンチャーを探る1】リボミック

2014年12月10日 (水)

アプタマー医薬の実用化狙う‐iPS研究にも技術応用

川端一博氏

川端一博氏

 9月に東証マザーズ市場に上場したリボミックは、特定の分子と特異的に結合する核酸分子「アプタマー医薬品」で事業化を狙う。前臨床段階に七つ、探索段階に30の開発パイプラインを保有し、異なる標的分子に結合するアプタマーのコンジュゲート製剤や、iPS細胞に関連した研究開発にも着手している。執行役員知財・調査企画部長の川端一博氏は、「まずは実績を出して、製薬企業との大型のディールをまとめたい。アプタマーの将来性を追求していきたい」と意欲を語る。

 核酸抗体と呼ばれるアプタマー医薬は、核酸医薬の一種でありながら、抗体医薬と同様の作用が期待でき、標的蛋白質への結合性や標的蛋白の多様性に優れるなど、抗体医薬にはない利点を持つ。ただ、加齢黄斑変性治療薬「マクジェン」の1製品の上市に限られ、成功事例が出ていないのが現状。米アルケミックス社が、アプタマー医薬の創製に不可欠な技術「SELEX」法に関する基本特許を独占し、製薬大手が自由な研究開発が行えなかったのが理由だ。

 実用化に向けても、創薬標的分子に対応したアプタマーの選択が難しいことや、血中で分解されやすく、標的分子に長期に作用できないため、適応とする疾患や投与方法をどうデザインするかなどの課題を克服する必要があった。

 同社は2003年に、東京大学医科学研究所発ベンチャーとして設立。SELEX法を利用したアプタマー医薬品の創製に関するプラットフォーム技術「RiboARTシステム」を突破口に課題解決に挑む。4種類の塩基がランダムに入った核酸ライブラリーの中から、標的蛋白質に最も強く、特異的に結合するアプタマーを数種類選択できる創薬技術を構築。選び取ったアプタマーを利用可能な限度まで短くし、短鎖化したアプタマーを化学修飾し、生理活性の増強や薬物体内動態を改善する最適化技術も実現した。

 国内製薬企業との共同研究も進行中だ。大塚製薬とは3品目で共同研究開発を実施し、疼痛適応で開発を進める抗NGFアプタマー「RBM004」は藤本製薬に導出済み。自社開発品目で本命に位置付けるのが、抗FGF2アプタマー「RBM007」。骨疾患、癌性疼痛、線維症、加齢黄斑変性で開発を進めており、FGF2に特異的で、動物を使った予備毒性試験では良好な安全性データを示している。

 同社では、FGFの同族体20数個のうちFGF2が最も有望な標的分子とみており、スイスのロシュが米バイオベンチャーからヒト化抗FGF2抗体を導入。川端氏は、「動物試験データだけを見れば、われわれのアプタマー医薬の方が良いデータだと思う」と自信を示す。

 新規技術の研究開発にも乗り出す。FGF2アプタマーとVEGFアプタマーを結合させ、二つの標的に作用する製剤開発も行う。「コンジュゲート抗体のようにリンカーの特殊技術がいらない」のが利点だ。さらにアプタマーを利用したiPS細胞の実用化技術を開発する専門部門「iPSプロジェクト室」を設置。「RiboARTシステム」をiPS細胞や分化細胞の純化に応用する研究を進めており、企業との共同研究や大学との連携を進める。

 課題は、GMPグレードの商用生産で、独自に製造プロセスを構築し、海外での製造委託を検討する方向。川端氏は「臨床データで結果を出したい」と述べ、アプタマーで成功する最初のバイオベンチャーを目指す。

リボミック
http://www.ribomic.com/


この記事は、「薬事日報」本紙および「薬事日報 電子版」の2014年11月19日号に掲載された記事です。

バイオベンチャーを探る1 目次

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バイオベンチャーを探る3 目次




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