エーザイは、全て自社技術で創製した抗葉酸受容体アルファ(FRA)抗体薬物複合体(ADC)「MORAb-202」を今年度臨床入りさせる。2007年に買収した米子会社「モルフォテック」が開発中の抗FRA抗体「ファレツズマブ」に、自社のリンカー技術を用いてエリブリン(製品名:ハラヴェン)を結合させたADCだ。転移性トリプルネガティブ乳癌を目標適応症とするほか、自社で保有するペイロード(薬物)を生かしたADCの受託ビジネスなど、ADCに関する様々な事業展開も視野に入れている。主力の抗癌剤「レンビマ」「ハラヴェン」に続く次期主力品として期待をかける。
「MORAb-202」は、FRA高発現の癌種に対して優れた効果を期待している。四つのチューブリン阻害剤「エリブリン」がリンカーでファレツズマブに結合しているのが特徴。細胞内でリンカーが酵素的に速やかにされる。これらの作用が同時に働くことで、販売中のハラヴェンの臨床用量に比べ、わずか約5分の1の用量で優れた有効性と安全性を持つ可能性が、非臨床データから示唆されている。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。