第53回日本薬剤師会学術大会
話題の調剤支援システム

PHCは、デジタル技術を活用した薬局運用ソリューションを展開している。
利用者が46万人を超える電子版お薬手帳アプリ「ヘルスケア手帳」の特徴は、服薬情報の管理だけでなく、処方箋の事前送付機能を搭載していること。来局時の待ち時間を削減させることで新型コロナウイルスの感染リスクを低減できる。
さらに今回、患者とのコミュニケーションをより円滑にするためのフォローアップ・メッセージ機能も搭載した。この機能は、薬機法改正に伴い9月から新たに義務化された服薬期間中のフォローアップ(薬剤使用状況の把握と適切な情報提供)を補助することを目的としたもの。
薬局側からメッセージを送ることができ、患者側は直接メッセージを入力して返信する以外にも、選択肢や電話の希望時間を選ぶだけの簡単操作でも返信することが可能となり、これらの内容を電子薬歴に取り込むことで、薬歴記載時間の短縮につながることが期待される。

タブレットを使って対面で服薬指導を行うことができる「クラウド薬歴DrugstarLead」は、新たに非接触で患者アンケートを実施できる新機能「ヒアリングMe.」を搭載した。
タブレットに表示されるQRコードを患者個人のスマートフォンで読み取れば薬局の外からでもアンケートに答えることができるという機能となる。薬局内で、感染リスクを最小化する取り組みを継続しながらの患者対応が求められる中、駐車場の車内や自宅などからもアンケートに回答することができるため、待合室の密を軽減できるだけでなく、アンケートホルダーやペンの消毒、アンケート用紙の廃棄作業などの軽減につながることが期待される。
2021年3月から開始予定のオンライン資格確認は、患者のマイナンバーカードもしくは健康保険証を利用して保険資格の有効性を自動的にオンラインで確認する、新たな医療保険の資格確認システム。
同社は、医療機関・保険薬局向け医事コンピュータ(レセプトコンピュータ)とパナソニックシステムソリューションズジャパンが開発する「顔認証付きカードリーダー」とのシステム連携を進めており、資格確認専用端末と医事コンピュータの一体化を実現。非接触(顔認証)で認証し、患者の同意を得た保険資格情報を直接、医事コンピュータに登録する。
これにより、医療機関が資格確認専用端末を追加購入する必要がなくなる上、新たな設置場所も不要となり、スペースの限られた診療所や薬局などでも無理なくオンライン資格確認システムの導入が可能になる。