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Dgs、好業績に生活者の信頼獲得

2020年12月18日 (金)

 ドラッグストア業界では、売上高が1兆円に到達する企業の誕生が近づいている。業界最大手のウエルシアホールディングスの2021年2月期中間決算で売上高は約4767億円に達し、通期業績予想では9541億円の売上高を見込んでいる。また、来年10月1日をメドに、経営統合を発表したマツモトキヨシホールディングスとココカラファインの売上高も単純合算すると1兆円に迫る。

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)では、「ドラッグストア業界10兆円産業化」の大きな目標を掲げて様々な取り組みを実践しているが、現在その実現に至るまでの道程を確実に進んでいると言える。最近では、「10兆円はゴールではない」「その先を見据えた取り組みを」といった声も聞かれており、着実な成長を遂げている業界であることは間違いない。

 ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響は甚大なものがあり、ドラッグストアも決して例外ではなかった。外国からの入国制限により、訪日観光客は激減。近年のドラッグストアの成長を牽引していたインバウンド需要はほぼ消滅した。

 店頭で品切れになる衛生用品が相次ぎ、その対応に連日のように追われたり、あるいは来店客から心ない言葉を浴びせられる経験をした店舗スタッフも少なくない。

 一方、新型コロナウイルス感染症は、ドラッグストアの業績にも大きく影響した。今期のドラッグストア企業の業績を見ると、比較的好調な業績を上げている企業が多くなっている。マスクや消毒剤などの衛生用品においては特需が起き、記録的な売上となっているほか、巣ごもり需要の発生により、食料品・日用品等の売上も拡大。ドラッグストア企業の業績を支えた形である。

 コロナ禍においてドラッグストアが果たしてきた役割も好業績となった大きな要因だろう。ドラッグストアの各店舗は、医薬品や衛生用品、さらに食料品、生活雑貨、介護用品まで生活必需品の多くを取り揃えている。各店舗スタッフが感染リスクに晒されながらも、外出自粛など生活を制限された地域生活者に安定供給し続けた。

 こうした姿勢が消費者の信頼を得ることとなり、その結果、コロナ禍でも店舗に足を運ぶことにつながり、好調な業績に結びついたと言えるのではないか。

 新型コロナウイルスの感染拡大は未だに収束する兆しを見せていない。「ウィズコロナ」という言葉が当たり前のように使われるようになったが、常に身近にある脅威として認識しなければならない。

 そのような状況下でも、国民は生活していく必要がある。業績が拡大して企業規模が大きくなっても、ドラッグストアには今後も引き続き、地域の生活者にとって身近で安心できる存在であり続けてもらいたい。



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