
謝罪する小林社長(右)と橋本専務
小林化工が製造販売していた抗真菌剤「イトラコナゾール錠」に睡眠導入剤が混入した問題で、外部有識者で作る特別調査委員会が事実関係の解明や原因分析をまとめた調査報告書が16日、公表された。報告書では、混入の原因について当初、小林広幸社長が釈明していた「ヒューマンエラー」を否定。新たに多数のGMP違反が判明したことなどから、「GMP不在の生産拡大」と厳しく指摘。経営陣がこうした承認書と齟齬のある製造を行っていた状態を認識しつつ、解消のための抜本的な措置を講じることなく放置していたことが根本的な原因と結論づけた。同日、福井県あわら市で開かれた記者会見で、調査委員会メンバーが報告した。
今回の混入は調製工程で発生したが、承認書と異なる方法で製造が行われていた。承認書と異なる製造方法は「現場フロー」と呼ばれる書面に記載。作業者は正規の書類ではなく、承認書と異なる製造方法が記載された現場フローを参照しながら製造を行っていた。製造指図記録書は作業に際して参照されておらず、作業の終了後に承認書と整合する表向きの数値が記載されており、製造実態を全く反映していないものだった。
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