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供給不安、製配販一体で信頼回復を

2022年01月28日 (金)

 昨年12月頃から一連のジェネリック医薬品(GE薬)の供給不安に関連した内容について、一般メディアなどによる報道も見られるようになった。患者が薬局でいつもと異なる薬剤を手渡されていたとしても「なぜ」と思いながら、全容は理解できないケースが多かったのではないか。報道の始まりは厚生労働省医政局経済課から「医療用医薬品の供給不足に係る対応について」の通知が各都道府県衛生主管部宛てに発出された時期とも重なる。

 通知では、3000品目以上の製品供給に影響が出ている一方、一部の製品規格については偏在があるのではないかとの指摘を受け、2020年9月と21年9月の供給量を調査。このうち86%は昨年より供給量が多く、5%以上増加している成分もあった。厚労省は5%以上増加しているものについて出荷調整の解除、供給量の把握と情報提供を求めている。現在、一部GEメーカーでは出荷調整解除の動きも出ている。

 昨年、薬剤師向けの研修会でGEメーカー、医薬品卸それぞれの立場から話を聞く機会があった。GEメーカー関係者は、小林化工や日医工などの不祥事に伴う出荷停止に対し、当初はGEメーカー各社が在庫を吐き出す形で対応していたという。その後、増産に向けて尽力しているもの「既存のキャパシティで増産しても2年が精一杯。新たな製造設備を作るためにはバリデーションに時間がかかるため、3年近くかかる」と予測している。

 民間企業だけでは解決できない課題もある。供給に関しては、独占禁止法に抵触するためGE各社間で、どのくらいの数量を提供するかという事前相談はできない。この関係者は「行政の力も借りながら対応することが次の課題」との認識を示す。

 医薬品卸関係者によると、通常納品分の手配に加え、欠品商品の入荷確認や連絡の対応に追われ、営業現場が混乱している状態にあるという。MSの日々の得意先訪問時における伝達内容も、出荷調整品の新たな情報などを含めた現状報告や入荷予定日の連絡、代替え品の提案がメインとなり、従来の周辺情報の提供や商談に十分な時間が取れないようだ。

 昨年、東京都・千葉県・大阪府の各薬剤師会が行ったGE薬の流通対応調査では、薬局薬剤師が後発品の供給不足の調整や説明に多くの時間を費やしていることが示された。40年以上薬局を経営する薬剤師からも「このような供給不安は初めての経験」との声も聞いた。本来であれば必要のない負荷がかかっているということだ。

 GE薬の供給不安の収束時期は現時点で明確に示せるわけではない。さらなる使用促進に向けては、その原因となった企業も含め製・配・販が一体となって、それぞれの役割に応じた信頼回復に向けた取り組みを進めていくことが肝要だ。



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