わが国における新型コロナウイルスの感染拡大が始まって2年という時間が経過した。その間、感染拡大の影響は経済をはじめ様々な方面へと波及。新たな生活様式といった言葉も生まれ、われわれの暮らし・生活を根底から覆し、一変させてしまった。約2年前の当初、これほどまでの事態を予測できた人が、一体どれくらいいただろうか。今現在、想定を遙かに超えた事態に直面していると感じている人が圧倒的に多いのではないだろうか。
こうした中、2021年を振り返れば、ほぼ1年中コロナ禍だった。感染者数が増減を繰り返す中、数が減少すれば「収束に向かうのでは」と期待を寄せ、爆発的に増加すればその数に驚愕し、戦慄した。
緊急事態宣言の発令も21年だけで3度におよび、外出自粛やテレワークといった、これまでにほとんど経験のない事態が当たり前になりつつある。
コロナ禍2年目となった21年だが、サンスターグループがウェブマガジンで公表した新型コロナウイルス流行前・コロナ禍1年目・2年目の生活意識と行動についてのアンケート(全国の20~69歳男女1000人)によると、マスクの着用や手洗いなど衛生行動の頻度は全12項目でコロナ禍1年目、2年目とも継続して上昇傾向が見られた。コロナ禍1年目と2年目の比較でも「頻度が高いまま」の値が高く、「頻度が上がった」が「頻度が下がった」を上回るものが大半を占めた。
コロナ禍で衛生意識が高まったことは周知の事実だが、調査ではこれら衛生行動の定着・習慣化が示された。さらに、自由回答の内容からは、マスク生活の苦痛が聞かれたが、「衛生行動が習慣化されることでかぜをひきにくくなった」や「健康的な生活が身についた」等の声も見られたという。これからも、衛生に対する高い意識を保ち、行動を継続していきたいところだ。
一方、21年は新型コロナワクチン接種が大きく進展した1年でもあった。地域によって接種率に格差が生じる等の問題はあったものの、2回の接種を終えた人が多数となっている。それでもその後、オミクロン株による新規感染者数が広がり、現在、3回目の接種が進みつつある。コロナ禍における「希望」の一つとも称されるワクチン接種の円滑な実施・推進を切に望みたい。
コロナ禍の中、2度目の年越しを経て、22年も1カ月が過ぎた。未だに感染拡大の収束は見えてこない。
ただ、衛生意識の向上やその継続、ワクチン接種の進展などは、収束へ向かう道程において光明になっていくのではないか。長期化する戦いに心身共に疲弊していることは否めないが、1日1日と収束に向かっているという想定を実現に近づけるべく、一人ひとりが努めなければならない。