TOP > 社説 ∨ 

薬業界が結束してOTC薬普及を

2012年09月07日 (金)

 日本OTC医薬品協会をはじめ、東京都家庭薬工業協同組合、東京薬事協会、東京生薬協会、東京都薬剤師会、東京都医薬品登録販売者協会の薬業6団体は4、5の両日、東京新宿の西口地下街イベントコーナーで、「よく知って、正しく使おうOTC医薬品」と題してOTC薬の普及啓発イベントを開催し、多くの来場者で賑わった。

 同イベントの発端となったのは、薬と健康の週間に合わせて2007年10月に家庭薬業界が「セルフメディケーションと家庭薬」をテーマに都民向けの普及啓発イベントを、都の薬用植物園で開催したこと(この時は東京都家庭薬工業協同組合、東京薬事協会、東京生薬協会の共催)

 そして、翌08年は新販売制度の施行が迫ったことで、東京都薬剤師会、東京都医薬品登録販売者協会(当時は薬種商協会)を加えた在京薬業5団体が一体となり、東京新宿に会場を移し、OTC薬の適正使用を啓発するイベントとして拡大させた。09年からは、日本OTC医薬品協会も主催団体に加わっての開催となり、今回が数えて5回目となる。

 会場内では、新販売制度に則っての陳列方法を模擬店舗(店舗販売業としての許可を取得)で再現し、医薬品の購入方法や副作用等の説明を体験してもらう。専門家による健康知識や医療情報を身につけ、専門家に相談しながらOTC薬を上手に利用し、自らの判断でセルフメディケーションを行えるよう、正しい薬の使い方等を、薬剤師らが説明する。

 協賛のOTC薬関連メーカー29社が、各ブースで主力製品や新製品を展示・アピールしたが、製薬企業として自社製品を消費者に直接説明するという機会は、CM等の宣伝を除けばそれほど多くない。それだけに各社担当者も説明に力が入るし、来場者としても新たな発見をしたケースが多かったのではないか。

 イベントでは毎回、セルフメディケーション等に対する来場者アンケートも行っているが、OTC薬の販売制度に関する理解度は、回を追うごとにやや上昇の傾向は見られるが、まだ関係者として満足いく数値でないようで、さらなる周知が必要といえよう。

 一般を対象とした意識調査と同様に、同イベントでのアンケートでも「薬局・薬店で薬剤師などの専門家に積極的に相談したい」「分かりやすい説明をしてほしい」といった声は、毎回非常に多く挙がっている。恐らく今回の結果でも同様の傾向が示されるとは思うが、要はこうした声をどうOTC薬市場の拡大、店頭活性化につなげていくかだ。

 年々規模や参加企業、入場者数の増加が見られ、厚生労働省、東京都の後援を受けるなど公益性の高いイベントに成長してきた。今後もOTC薬の推進や周知のために継続する重要性はもちろん、さらに関連団体を巻き込んでの発展も期待したい。



‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術