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電話モニタリングの活用を

2016年3月25日 (金)

 副作用などを早期に発見し問題を解決するために、電話は有効な手段になりそうだ。実際に、副作用の早期発見などに電話を役立てている病院薬剤師や薬局薬剤師の取り組みを近年、薬系学会の学術大会で目にする機会が増えてきた。すそ野は広がりつつある。

 電話の活用には二つの方向性がある。一つは患者からの問い合わせに電話で応じる“受け”の活用。もう一つは、薬剤師が自ら患者に電話をかけて様々な状況をモニタリングする“攻め”の活用だ。

 “受け”の電話活用は、薬局や病院に広がり始めている。病院では、日本病院薬剤師会が全国の病院を対象に2014年度に実施した調査において、外来化学療法部門があると回答した1247病院のうち169病院の薬剤師が「副作用などの相談に電話などで対応(ホットライン等)しており、関与している」と答えている。

 薬局でも、電話での相談に応じているところは少なくないだろう。今春の診療報酬改定で新設される「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件として、患者の相談に24時間応じる体制が求められており、体制整備は拡大しそうだ。

 “攻め”の電話活用も、少数だが増えている。その一つの事例としてクオール薬局伊勢崎店は、がん患者を対象に薬剤師担当制を導入し、患者に寄り添って支援する体制を構築した。その患者を担当する薬剤師は服薬指導など全ての対応を引き受け、相談も薬局の携帯電話で24時間受け付けるほか、患者に電話をかけて服薬状況や副作用の発現も確認している。

 他地域でもいくつか取り組みがある。浜松市の診療所と近隣13薬局は連携し、接触性皮膚炎の発現によって、過活動膀胱治療用貼付剤の使用が中断されないように、スキンケア方法や皮膚症状出現時の対応を標準化した。薬局薬剤師は初回説明に加え開始後3、7日目に電話をかけてモニタリングを行っている。

 地域の医療機関と連携し、薬局薬剤師が患者にコーチングを行うことによって糖尿病性腎症の重症化予防を目指した臨床研究「PHOND Study」では、薬局薬剤師は面談に加え電話でも患者をフォローする。

 このほか、新規にオピオイドの導入を開始した外来患者を対象に、次回受診日までに薬剤師が患者に電話をかけて、痛みの状況、レスキューの服用回数、副作用の発現状況などを聴取し、対応している病院も複数存在する。

 電話の活用には薬剤師のマンパワーが必要だが、各地の事例を参考に、可能なら受けや攻めの電話活用を導入してはどうだろうか。副作用を早期に発見して重篤化を防止したり、生活習慣病の良好なコントロールに貢献したりすることは、医療費の削減につながる可能性があるほか、何より患者のためになる。電話活用の効果を客観的な数値で示し、診療報酬上の評価を目指す戦略があってもいい。




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