◆「がん消滅の罠 完全寛解の謎」の著者である岩木一麻氏は「医療ミステリーで癌を啓発したい」と語った。癌が身近になりつつある中、患者と患者以外の人たちが抱く癌のイメージには温度差があり癌患者を支える社会環境は十分ではないと言い切る
◆医療ミステリーを書いたのも、一般の人たちが癌を理解する“入り口”にできればと考えたから。一般者の目線でいえば、難しい医学専門書よりも、エンタテイメントの方がとっつきやすいだろう
◆新薬開発に取り組む製薬業界。製薬企業のビジネスは一般者からの理解が進まなければ、この先限界を迎える。一般の人たちから見れば「市民目線が足りない」とか「見えないところで隠れて悪いことをしている」と思う人も少なくなかろう。しかし私の知る限り、製薬業界で働く人たちの多くは、医療を良くするために一生懸命努力している人たちばかりだ
◆どの業界でも一般者に対する啓発が必要な時代。自分たちを認知してもらうため、社会を味方につけるための“入り口”戦略が問われている。
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