世界的な製薬企業20社の医薬品アクセスの取り組みを比較するランキングで、日本の製薬企業が初めてランク入りした。国内勢はエーザイの16位が最高位だったが、上位はトップの英グラクソ・スミスクラインをはじめ、欧州系企業が先行する結果となっている。
医薬品アクセスのランキングは、オランダの非営利財団が発表したもの。途上国の人々に医薬品を届ける努力を行っている世界的な製薬企業20社をランク付けしており、今回が2008年に次いで2回目となる。
10年のトップは英グラクソ・スミスクラインが選ばれた。特許プールの公開、途上国向け薬価の引き下げ、ワクチン開発などの取り組みが高く評価された。2位は米メルク、3位がスイス・ノバルティスファーマ、4位が米ギリアドサイエンス、5位が仏サノフィ・アベンティスとの結果で、6位以降もスイス・ロシュ、英アストラゼネカ、デンマーク・ノボノルディスクファーマなど、欧州勢が先行している状況がうかがえる。
一方、日本企業では、昨年、スイスの非営利財団のDNDiとシャーガス病の新薬開発で提携したエーザイが16位、世界エイズ・結核・マラリア対策基金への寄付プログラムを実施する武田薬品が18位に入った。次いで19位にアステラス製薬、20位に第一三共がランクインした。
また、途上国に安価な必須医薬品を提供するため、重要な役割を果たしているジェネリック医薬品企業のランキングでは、トップにインドのランバクシー・ラボラトリーズが選ばれている。
今回のランキングを通じて、財団のランキング創設者であるウィム・レーレベルト氏は、「今回のランキングは、特に研究開発と公正な価格設定の領域で大きな改善があったが、製薬業界の取り組みとしては、なお先が長いことも示している」と指摘している。