◆1型糖尿病患者の有効な治療法として膵臓の移植治療がある。膵臓の臓器移植と、膵臓からランゲルハンス島を分離して移植する「膵島移植」の2種類だ。特に膵島移植は、局所麻酔下の点滴で移植できる点から、患者の身体的負担が少ない
◆欧米では膵島移植が本格的に進められ、優れた治療実績を挙げている。2011年の米国の研究結果では膵島移植実施患者の5年インスリン離脱率は55%と膵臓移植と同等の成績で、5年生存率は98%と臓器移植を上回った
◆しかし国内では、04年に膵島移植が実施されて以降、まだ5年でインスリン離脱を達成できた患者はいない。脳死ドナー数が欧米に比べて少なく、心停止ドナーを用いなければならなかったからだ
◆臓器移植法の改正により、脳死ドナーは増加傾向にある。しかし、そのほとんどは膵臓移植で、膵島移植が加速する状況には至っていない。膵前駆細胞の同時移植など再生医療と組み合わせた治療で、移植成績が向上する結果も出てきており、脳死ドナーの増加が喫緊の課題といえよう。
膵島移植の課題は
2012年06月15日 (金)
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