患者さまに好印象をのこす~経験年数で変わるホスピタリティのちがい~
初々しい笑顔と丁寧な言葉遣い、若手スタッフのホスピタリティは、患者さまの心を和ませ、温かい気持ちにさせてくれます。一方、ベテランスタッフのホスピタリティは、どっしりとした安心感を与えてくれます。
ホスピタリティは、新人研修で学ぶことが多いかもしれません。しかし、それは若い時に学んで終わりではありません。経験を積み重ねることで、より深いホスピタリティを身につけることができるのです。
経験年数によるホスピタリティの違い
若手スタッフにはホスピタリティの基本を忠実に守ることが求められます。そのため新人研修でマナーやホスピタリティについて学ぶ機会があることも多いのではないでしょうか。挨拶、言葉遣い、マナーといった基本的なスキルを磨き、決められた手順を正確にこなすことが求められます。
学生時代に接客のアルバイト経験がない方はホスピタリティを実践するのは少し気恥ずかしいかもしれません。でも、「明るくあいさつをする」など新人研修などで学んだホスピタリティを1つ実践してみてください。患者さまと良好なコミュニケーションを築くことができると患者さま対応への自信につながっていきます。
対してベテランの方のホスピタリティあふれる行動は、私自身がとても勉強になっていました。患者さまのちょっと曇った表情を見逃さずに「どうしましたか?」と声をかけ患者さまに寄り添う姿勢を忘れないあの先輩。忙しいときでも患者さまがいらしたら「こんにちわ~」っとニコッと挨拶をし、安心感を与えていた薬局長。そんなホスピタリティあふれるベテランスタッフの方たちの行動を見ていると私自身がすがすがしい気持ちになっていました。
医療機関にとってのホスピタリティ
若手とベテラン、それぞれのホスピタリティが医療機関にとって欠かせません。互いの強みを活かし、患者さま一人ひとりに寄り添った質の高いサービスを提供することが大切です。
今一度、自分自身のホスピタリティについて振り返ってみませんか?
「また何かあったときにはここに相談しよう」と患者さまに思ってもらえるような
あなたならではのホスピタリティとは何でしょうか?
そして、一緒に働く同僚のホスピタリティあふれる行動を見かけたら、「あの挨拶よかったね」と声をかけてみてください。互いのホスピタリティを認め合い、高め合っていくことで、より良い医療を提供できる環境を作ることができます。
Profile
坪田のり子(つぼたのりこ)
薬剤師/シュクリア代表
東邦大学薬学部を卒業後、地域密着型の調剤併設型ドラッグストアに入社し、調剤、OTC販売、在宅医療、行政と連携したセミナーの開催、医療専門職への研修など多岐にわたる業務に従事。
入社2年目で新人研修・OTC各論の講師を抜擢され、その後も社内社外問わず、学生、医療専門職、一般の方などさまざまな対象者に対し研修を行う。参加者の立場にたった分かりやすい研修が、実践につながる、と好評を得る。
その実績が認められ社内初の調剤事業部課長として、新卒採用・教育研修の責任者となる。社内の研修の体制を整備し、内定から若手までの一貫した研修体制を構築することで、内定者離脱、離職者低減に寄与する。
退職後、独立し、「薬剤師の成長が薬局の成長につながる」を志に薬局業界を中心に人材育成事業を展開。学びで終わらせない、「実践へのこだわり」がつまった研修設計が好評である。
こんな活動をしています
「患者さまとの絆を深め、選ばれる薬剤師へ」を志に地域で活躍する薬剤師の育成に力を入れています。
シュクリア
https://shukriya-yaku.com/
目次
- 【薬剤師の実務に生かせるホスピタリティ】第1回 サービスとホスピタリティのちがい シュクリア代表・坪田のり子
- 【薬剤師の実務に生かせるホスピタリティ】第2回 ホスピタリティは誰のために身につけるのか シュクリア代表・坪田のり子
- 【薬剤師の実務に生かせるホスピタリティ】第3回 若手が身につけるホスピタリティとベテランが身につけるホスピタリティ シュクリア代表・坪田のり子
- 【薬剤師の実務に生かせるホスピタリティ】第4回 医療機関における満足のその先の感動へ シュクリア代表・坪田のり子
- 【薬剤師の実務に生かせるホスピタリティ】第5回 ホスピタリティあふれるチームになるために大事な2つのこと シュクリア代表・坪田のり子
- 【薬剤師の実務に生かせるホスピタリティ】最終回 チーム力を向上させるための質問力と認める力 シュクリア代表・坪田のり子