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【薬剤師の実務に生かせるホスピタリティ】第5回 ホスピタリティあふれるチームになるために大事な2つのこと シュクリア代表・坪田のり子

2024年06月25日 (火)

ホスピタリティあふれるチームになるために大事な2つのこと

ホスピタリティコーディネーターに合格しました

ホスピタリティコーディネーターに合格しました

 前回の記事でお伝えしていた、JHMA認定ホスピタリティコーディネーター合否ですが…!

 無事、コーディネーターとなることができました。坪田です。

 今回は「チーム全体でホスピタリティを高めるために大事な2つのこと」についてお伝えします。どうぞよろしくお願いします。

医療機関もサービス業

 サービス業とは、直接的なモノづくりに関わらず、人々の生活を豊かにする無形のサービスを提供する職業を指します。医療機関も、患者さまに質の高い医療サービスを提供することで、心身の健康をサポートするという点において、サービス業の一環と言えるでしょう。

 サービス業には以下4つの特性があるのはみなさんご存じでしょうか?

  • 同時性(生産と消費が同時に行われる)
  • 消滅性(蓄えておくことができない)
  • 無形性(形が見えない)
  • 変動性(誰がいつどこで提供するかで変化する)

 この4つの特性からサービス業はばらつきとの戦いが永遠の課題ともいわれています。

ホスピタリティを分解してみる

 自身の感覚や経験値でなされていそうなホスピタリティ。ただ、みなさんが日頃実践しているホスピタリティには実はある一定の思考の流れがあります。ホスピタリティに至るまでの思考のプロセスを分解してみることで自然とホスピタリティが実践できる人と苦手な人のばらつきを解消していくヒントにつながります。

 ホスピタリティに至る4STEP

  1. 観察:患者様の言動や表情、服装などを観察し、どのような方なのかを把握。
  2. 推理:観察に基づいて、患者様が抱えているニーズや求めていることを推測。
  3. 理解:患者様の置かれている状況や背景の理解。
  4. 行動:そして、患者様のニーズや求めに応じた適切な行動を取ります。

 このステップを踏むことが、一方通行のやりとりとならず、患者さま満足につながるホスピタリティを提供することにつながります。

 たとえば、「今日は、雨。びしょびしょに濡れた傘を持って、困った表情で店内入り口あたりをきょろきょろ見渡しているな(観察) 傘袋を探しているのかな(推理) 傘がぬれていると洋服も濡れちゃうかもしれないないし(理解) 雨の中、大変でしたね。傘袋をお探しですか?と声をかける(行動)」このような流れです。ただ、この4STEPを無意識下で出来る人もいれば、そうでない人もいます。

 まずは、ホスピタリティを実践するには、ホスピタリティの4STEPがあることを理解する。そして、実際にあった事例を4STEPに当てはめることで自身や他人の行動を振り返ることができます。そうすることでホスピタリティが苦手な人も自身が気づくことができ、その後の行動につながっていくのです。

 その施策としてOJT研修の一環として組み込むのも良いでしょうし、朝礼での事例共有として取り上げるのも良いかもしれませんね。

チーム全体でホスピタリティを高めていく

 それでは、スタッフたちが主体的に「観察」→「推理」→「理解」→「行動」するチームになるには組織のリーダーたちは何を意識すればよいのでしょうか?

 それは「権限委譲」と「理念浸透」です。権限委譲とは、現場にいるスタッフに、自ら主体的に考えて行動してよいと許可出しをすることです。ただ単に任せるだけだと、個人の価値観で勝手なことを実施し、チームとして統制がとれなくなります。そこで必要になってくるのが理念浸透です。理念浸透とは企業・組織理念であり、医療倫理です。

 私たちは患者さまの命を預かる大切なしごとを担っています。どんなにホスピタリティあふれる行動だと思ってもそれが医療倫理に背き、患者さまの健康を害するようであってはいけません。企業理念・医療倫理に基づいた上で、主体的に行動してよいと許可出しをすることがチームでホスピタリティを高めるためには必要なことなのです。

ホスピタリティは自分も満足できること

 ホスピタリティの原点は相互満足です。患者さまも嬉しい、そして自分もうれしい…!

 今回の記事がみなさんが心地よく働ける職場のヒントになりましたら幸いです。

Profile

坪田のり子(つぼたのりこ)
薬剤師/シュクリア代表

坪田のり子氏

東邦大学薬学部を卒業後、地域密着型の調剤併設型ドラッグストアに入社し、調剤、OTC販売、在宅医療、行政と連携したセミナーの開催、医療専門職への研修など多岐にわたる業務に従事。

入社2年目で新人研修・OTC各論の講師を抜擢され、その後も社内社外問わず、学生、医療専門職、一般の方などさまざまな対象者に対し研修を行う。参加者の立場にたった分かりやすい研修が、実践につながる、と好評を得る。

その実績が認められ社内初の調剤事業部課長として、新卒採用・教育研修の責任者となる。社内の研修の体制を整備し、内定から若手までの一貫した研修体制を構築することで、内定者離脱、離職者低減に寄与する。

退職後、独立し、「薬剤師の成長が薬局の成長につながる」を志に薬局業界を中心に人材育成事業を展開。学びで終わらせない、「実践へのこだわり」がつまった研修設計が好評である。

こんな活動をしています

「患者さまとの絆を深め、選ばれる薬剤師へ」を志に地域で活躍する薬剤師の育成に力を入れています。

シュクリア
https://shukriya-yaku.com/

目次



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